◆労働記録が問うもの 「こんな異常な労働時間はありえない。使い捨てにしているのではないか」。トラックのドライバーとして運転中に心筋梗塞を発症して死亡した京都府内の男性=当時(52)=の遺族は、労働時間の記録を目にして驚愕(きょうがく)した。 大阪府交野市の運送会社で中古車の搬送を担っていた男性。令和元年8月、広島県の国道を走行中に容体が急変したとみられ、トラックは縁石にぶつかりながら停車、搬送先で死亡が確認された。 昨年9月、労働基準監督署は労災と認定。労基署の資料によると、直近1カ月間の時間外労働は124時間。5カ月前には199時間にまで達し、半年平均で月160時間もの残業をしていた。 終業から翌日の始業までの間隔「勤務間インターバル」も8時間を下回ることが多かった。元年7月には朝から日付が変わった午前0時24分まで働き、「翌日」の勤務が32分後に始まった日すらあった。死亡前日も午前8時25分から午後10時35分まで働いた上、わずか約1時間半後に当日の勤務が始まったと記録されている。