自分を客観的に眺めて、生きていることを演出するとしたら、一番の理想は、いい映画を撮れたときに死ぬことだ。
しかし、映画っていうものは完成した瞬間に、気に入らないところが次々に見えてくる。
自分の映画に、満足することはない。
満足するようじゃ映画監督なんて続けられない。
だから俺も、生きることに興味がないなんて言いながら、いざ死神があらわれたら、こう言ってしまいそうな気がする。
「あと1本だけ映画撮らせてくれねぇか」人間、歳を取るとずうずうしくなる