「我ながら平凡な人生を送ってきた」
こんな出だしの物語ってね、いくらでもあると思うんだ。
でもね、そういうことを言う物語に限って、主人公は皆非凡なんだ、実際。
僕はおかしいと思ったよ。
でもね、さっきもう1度よく考えてみたんだ、それがおかしいかどうか。
それでね、僕は気づいたんだよ。
何も起こらないような人生は、かえって平凡じゃないってね。
当たり前だと言えば、当たり前なんだけどさ。
何のイベントにも遭遇しない人なんて、いないんだよ、実際。
ということでね、今から僕は、僕が今日体験した平凡な出来事を話そうと思う。
まぁ平凡な出来事だから、あまり期待せず聞いてくれよ。