「人生ファイナルラップ」
母の夢は絵に描いた餅
 京大は俺には無理な口
 押しつけられたスタート位置
 レースは始まり縮む命
 親は力で支配しがち
 屈辱に耐える毎日
 裸足で雪の上に放置
 飯は床にぶちまける措置
 会話も禁止女友達
 強いられる意図の察知
 満点じゃなきゃ平手打ち
 泣けば口に布詰める処置
 母の攻撃さながらアパッチ
 見て見ぬふりのゲスな父
 もしくは二人掛かりのリンチ
 帰りたくないそんな家
 残り人生あと何周?
 いつも警戒母の奇襲
 勉強ばかり予習復習
 刑務所並みに無味無臭
 クルマだけが俺の陣地
 憧れた土屋圭市
 現実見えぬ俺の無知
 人生設計ひどく幼稚
 求められる社会的地位
 進路は一方的通知
 俺にない選択の余地
 言えるわけない胸の内
 努力足らぬとムチとムチ
 アメの約束嘘のオチ
 壊れていく俺の気持ち
 順位落ち下がる偏差値
 夢は次男にバトンタッチ
 走らないマシンは無価値
 要らない兄は無視の仕打ち
 もう出て行こうこんな町
 残り人生あと何周?
 裁判所で決する雌雄
 二度殺される死刑囚
 それを喜ぶ一般大衆