家出中の少女を見つけて保護したとして、兵庫県警明石署は19日、加古川東高校3年岸本悠花さん(18)=明石市=に感謝状を贈った。

発見時、少女は行く当てもなく駅前を歩いており、「無事に家族の元に帰ることができて良かった」と岸本さん。蓮井賢一署長は「機転を利かせた、勇気ある行動だった」と善行をたたえた。

同署などによると、昨年12月6日夜の明石駅前で、岸本さんがコンビニで夕食を購入し、近くの塾に戻る途中、重い足取りの制服姿の女子中学生を見かけた。

岸本さんはこの制服に見覚えがあり、付近の中学ではないこと、コンビニに向かうときにもいたことから引っ掛かりを覚えた。 岸本さんが「どこに行くの」と声を掛けると泣き出したため、塾まで連れて移動。

教室からいすを借り、座って話を聞いてみることにした。 少女は当初あまり話したがらなかったが、岸本さんが自身の部活のことやきょうだいのことについて話すうちに、徐々に打ち解けていった。岸本さんは当時を振り返って「妹ができたみたいだった」と語る。 

約1時間にわたって会話を交わした末、少女は家出をしてきたことを打ち明けた。岸本さんは「一緒に帰ろうか」と声を掛け、少女の自宅の最寄り駅まで電車で向かった。

駅に到着後、2人で歩いていると、少女を捜していた親族と偶然出会い、送り届けることができた。 同署に家族から捜索願が出ており、「後で警察から連絡が来て、大ごとだと気づいたが、彼女が無事で良かった」と胸をなで下ろしたという岸本さん。

感謝状を受け取り、「バスケットボール部のマネジャー経験を通じて培った、人を観察する力が生きたのかな。高校生活に感謝です」とほほえんだ。

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