両親らが県に計約3700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、大分地裁であった。石村智裁判長は、県に両親への慰謝料など計660万円の支払いを命じた。

【写真】記者会見で判決を振り返る香織さんと父の和男さん

 大分県別府市の県立南石垣支援学校で2016年、重い知的障害がある高等部3年の林郁香さん(当時17歳)が給食を喉に詰まらせて死亡した事故で、林さんは16年9月15日の給食時間中、見守り役の教員が一時的に席を離れた際に給食を喉に詰まらせて死亡した。

 えっショック県側は「窒息や誤嚥の危険性はなく、予見できなかった」と主張したが、判決は教員が危険性を認識していたと判断。「他の教職員に見守りを依頼せず(林さんを)一人で残し、見守り義務に違背した。死亡との因果関係も認められる」とした。

 原告は当時の校長や教員らも提訴したが和解が成立し、被告は県のみとなっていた。母香織さん(54)は記者会見で「先生が見守るべきだったと認めてもらえてよかった」と語った。
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