小説書いたから読んで!
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「ねえ。あれって熊じゃないの」
私達の歩く未舗装の山道の先に何か黒い塊がもそもそと動いているのが見える。隣の悠斗は「ああ、熊だな」とそっけなく答えた。
「やばいじゃん。逃げた方が良くない?」
「大丈夫、大丈夫」悠斗は暢気に言う。
「熊は基本的に人間を恐れているからな。近付いたら逆に向こうの方が逃げていくよ」
確かにそう言われるとそんな気もする。こういう時に頼りになるから私は悠斗のことを好きになったのだ。
自分が恋していることを改めて実感し、にこにこしながら歩いていると、もう熊の目の前まで来てしまっていた。
こんな近くまで来て大丈夫なのかな。心配になって横にいる悠斗に視線を移すと、丁度突進してきた熊に突き飛ばされているところだった。
山道を外れ、急斜面をゴロゴロと転がっていく悠斗は、大きな岩にぶち当たって止まった。
「だいじょうぶー?」
上から声をかけるが、痛みに悶えているのか悠斗はしばらく反応しなかった。
もう一度呼びかけると、ゆっくりと顔を上げ「これが大丈夫に見えるか?」と力無く返答した。
確かに手足は変な方向に曲がって、あちこち血まみれで、まるで打ち捨てられたマネキンみたいになっている様はとても大丈夫には見えない。
でもこの場合の「大丈夫?」という呼びかけは、怪我の具合はどの程度ですか、意識はありますか、救急車を呼びますか、その必要はないですか、
という意味を含んだものであって、実際問題として大丈夫であるかを尋ねているわけではない。
その程度のことを読み取れないなんて悠斗は今流行りの発達障害というやつなのだろうか。
無事に下山出来たら検査に連れていってあげよう。
と、その瞬間私の世界がぐるぐると回り始めた。どうしようとパニックを起こしかけ、どうにか落ち着きを取り戻すのに要した時間はほんの数秒ほど。
世界ではなく自分の方が回ってるんだと気付くのと大きな岩にぶち当たるのがほぼ同時だった。 「大丈夫かー?」
暢気な声が上から降ってくる。見上げると悠斗がはるか斜面の上にいた。
人間が突然浮かび上がるわけはないから私が斜面を転がり落ちたと考えるのが自然だろう。
その証拠に悠斗のさらに上には熊がいて、うろうろと歩き回りながら私達の様子を窺っていた。
「これが大丈夫に見えるぅー?」
怪我の程度は悠斗と同じくらいだろうか。冷静に観察をする余裕はないが、何か所か骨が折れているような気がする。
悠斗はしばらく何か考え込んでいたが、こちらに向けて声を張り上げた。
「お前発達障害なんじゃないか? 下山出来たら一緒に検査に行こう」
きっと私と同じ思考を辿ったに違いない。そうなのであれば先程の自分の返答もおかしかったと気付いても良さそうなものだけど。
悠斗は昔からこういうところがある。自分に甘く他人に厳しいのだ。
もう検査に連れていってあげるのはやめにしよう。無事に下山出来たらお別れを切り出して新しい恋を探そう。
そんなことを考えていると悠斗の向こうから熊がのそのそと斜面を降りてくるのが見えた。きっと私達を食べるつもりなんだろう。
悠斗を食べて満足して帰ってくれないかな。そんな不謹慎な願いも虚しく、悠斗のいる大きな岩を越えて私の方にまっすぐ向かってきた。
悠斗は何か言うかと思ったが、一瞬ぎょっとした表情をしただけでその場で大人しくしていた。
私に向かって「逃げろー!」とか、「俺が相手だ!」って熊に立ち向かうとかしてくれてもいいのに。薄情なやつめ。
熊の歩みは止まらずもうすぐそこまで来ている。
私は胸の前で十字を切った。特定の宗教は信奉していないが、日本はそのへん大らかなので何も問題はないだろう。
宗教の自由が保障されていることに感謝しながら私は胸の前で手を組む。
折れているであろう右腕はひどく痛むが、形式は大事にしなければならない。
熊の粗い呼吸を近くに感じながら私は目を閉じ、そして祈る。
せめて苦しまずに死ねますように。 主人公の名前が雰囲気とあってない
今後の活躍を考えて、ミハエル武田にしよう 地の文多すぎ
会話文をせめて半分以上の割合で入れろ >>5
地の文も個人の心情描写だから会話みたいなものでは >>10
この後熊による濃厚なリョナシーンが挿入される予定
>>11
マジか。ありがとう! 「人間が桃から生まれるわけないんだよ。どうせあれも橋の下から拾ってきた的なよくある冗談だろ」
そう言われた犬は自分の尻尾を追いかけるのに夢中で桃太郎の言葉なんて一切聞いていなかった。
猿はその後を大人しく付いて歩いているが、そのうち狂ったように叫びながらその辺を飛び回り始めるに違いない。
「キジはどう思う」
「さぁ。おじいさんもおばあさんも歳ですからね」
桃太郎は軽くキジを睨みつけた後、舌打ちをして黙り込んだ。望む答えを得られないと不機嫌になるのはいつものことだ。
先代のキジは焼鳥にされて食べられたと犬から聞いている。それも橋の下から拾ってきた的なよくある冗談の類いなのであろう。
桃太郎が大げさにため息を吐くと、それに反応したのか猿が甲高い声で叫びながらあたりを飛び回り始めた。
より一層桃太郎が不機嫌になっていくのが分かる。犬は相変わらず自分の尻尾を追いかけるのに夢中だ。
ため息を吐きたいのはこちらの方だと思いながら、キジは天を仰いだ。
真っ青な空に大きな白い雲が浮かんでいる。
鬼ヶ島は近い。 >>17
昨日見てくれた人か
直そうかと思ったけど犬の知能だと焼鳥という発想しか湧かないからこれでいいのだ >>20
そう、なろうにあるまじき普通の青春エンタ小説目指してる >>21
これなろうなのか
小説投稿サイトって見たことないからUIがどんなもんかすら知らなかった さっき軽く調べたけどなろうは異世界恋愛ものが今流行りなんだっけ
名前は失念したが恋愛特化のサイトもあったけどそこは女性向けってなってたな >>23
趣味はUFO探し!って突飛な自己紹介はハルヒを彷彿とさせるよな
今はあまり見ないけど昔はそういう不思議ちゃんの転校生の話は割とあったように思う 結構前の話にはなるがなろうで3億円事件の犯人の手記風小説がバズってたよな
書籍化したとかそういう話は耳に入ってこなかったけど でもUFO探しだけだとそこまで爆弾発言でもなかったかも 小学生ならありがちだけど中3でUFOはちょっと痛い子だと思う 起承転結の転がないじゃん
せめて主人公をミスリードさせるとか、何か一工夫入れなよ >>28
ドーンというインパクトではなくない?
どっちかって言うとまず聞き間違いや冗談を疑うとこかなって気がする >>29
なるほど
>>30
確かに冗談というか転校初日だしぶっこんでやろうっていう意気込みすら感じるからそこまでのガチ感はないな ところで>>1の文章なんか味あって嫌いじゃないでした >>32
ありがとう。内容よりもリズムを意識してるから文章を褒められるのは素直に嬉しい 起承転結ってストーリーテリングに有用なのかなって調べてみたけどwikipediaではその点あまり触れられてないな
そもそも起承転結自体至極曖昧なものだと言及されてる つまらない上にキャラが立ってない
発達障害という名の縦割り社会語った点で無能
小説は瞬間芸術では無いという事を教えてくれた作品 wikipediaだと「前段と無関係な論理の飛躍を含有したもの」が転にあたるとされているから、
俺の文章の中においては突然祈り始める部分が転にあたるのではないかという気がするけど
それとも小説という媒体における起承転結はまた別の意味合いを含んでるのか?
軽く調べた限りでは分からなかったが >>16は
>真っ青な空に大きな白い雲が浮かんでいる。
が転に該当すると思う。何か認識が間違ってるのかな >>35
瞬間芸術の小説もあるぞ
星新一知らんのか?
起承転結の「転」さえあれば最低限の小説は成り立つぞ
あとは話そっちのけで徹底的に文体にこだわって
「気持ちいい空気感」を醸し出すタイプもあるな
川端康成や江國香織の短編がこんな感じ
イッチは文章力はありそうだから
後者の方向で突き詰めればええんちゃうか 文章の書き方の本によく載ってる名文と名高い井伏鱒二による漢詩の訳
原文は唐代の詩人于武陵(うぶりょう)の詩「勧酒」(かんしゅ)
>コノサカヅキヲ受ケテクレ
>ドウゾナミナミツガシテオクレ
>ハナニアラシノタトヘモアルゾ
>「サヨナラ」ダケガ人生ダ
この3行目が起承転結の転にあたるわけだよね
小説におけるこの部分って具体的にはどのような内容になるのだろう? >>39
>イッチは文章力はありそうだから
>後者の方向で突き詰めればええんちゃうか
ありがとうありがとう >>42
>少し登場人物の考え方がこえぇ
そう言っていただけると書いた甲斐があるというもの ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています