AIでシューマッハ氏の架空インタビューを作成・掲載、独週刊誌の編集長が解雇

自動車レース、フォーミュラワン(F1)で7回の個人総合優勝を果たした後、2013年のスキー事故以降は表舞台に出てないミハエル・シューマッハ氏のインタビューが、ドイツの週刊誌「ディ・アクトゥエル」15日発行号に掲載された。しかしこれは、人工知能(AI)が作成した架空のインタビューだった。
ディ・アクトゥエルを発行するフンケ・メディアグループ社は22日、シューマッハ氏の家族に謝罪した。同週刊誌の編集長は解雇された。
週刊誌の表紙には、ミハエル・シューマッハ氏のスキー事故後「初のインタビュー」という見出しがついている。
「Character.AI」というAIプログラムを使い、シューマッハ氏の健康状態や家族に関する「発言」を人工的に作成したものだった。
記事には、シューマッハ氏が、「私はチームの助けを借りて、実際に自分で立つことも、ゆっくりと数歩歩くこともできる」と述べたかのように書かれている。
「妻と子どもたちは私にとって、神の恵みだ。彼女たちなしでは、ここまでできなかった。こうなってしまったことについては、もちろん家族もとても悲しんでいる」とも書かれている。
「家族は私を支え、私のそばにしっかりついてくれている」
シューマッハ氏の家族は21日、週刊誌に対して法的措置を取るつもりだと述べていた。
「悪趣味かつ誤解を招く記事」
「今回の悪趣味かつ誤解を招く記事は、決して掲載されるべきではなかった。私たちや、読者が期待するジャーナリズムの基準をまったく満たしていない」と、フンケ・メディアグループのマネージング・ディレクター、ビアンカ・ポールマン氏は述べた。
「この記事が掲載されたことを受け、直ちに人事上の処分が行われる。2009年以来、同誌の報道内容について責任を担ってきたディ・アクトゥエル編集長のアンネ・ホフマン氏は本日(22日)付けでその職務を解任される」と、ポールマン氏は説明した。

https://www.bbc.com/japanese/65364049