父が話した祖父の戦時中のある話を少し書いてく
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
オヤジがさっき夕飯中にふと思い出したという祖父が亡くなった時もう20年以上前の話です。
まだ肌寒い1998年の3月、葬儀屋さんを呼んで実家で大々的にやった祖父葬儀にはそれはもう沢山の人が訪れたそうですが、初日にいっちばん最初に来た人についての話です。
本当に忙しくて大変な思いをしていた当時の父ですが、祖父が亡くなったと聞いて1番最初に遠方から飛んでやって来た人が居ました。
子供の頃祖父の話で聞いただけで面識は全く無く顔も知らなかったそうですが、直立不動でその鋭い目付きを向けてきた彼が戦時中日本海軍で上官をしていた祖父の部下の一人だった吉沢（仮名）さんだと気付くのに時間は掛からなかったそうです。 そして遠方に住む彼が真っ先に飛んでやってきたその理由は第二次世界大戦末期にまで遡ります。
祖父達は日本海軍に所属していてある島の戦いで吉沢さんが所属する警備隊は警備に出掛けたそうです。
すると吉沢さん達の警備隊は不運な事に敵（恐らくアメリカ軍）に遭遇してしまい戦いましたが彼以外の部隊員は皆死んでしまったそうです。 そんな中吉沢さんは命からがら生き残り本部に向かったそうです。
しかし悲しい事に海軍には皆死んでしまったなら自分も戦って潔く死ぬべきみたいな考えがあり、一人だけ生き残った吉沢に周りの人の多くは厳しい態度を示したそうです。
そんな中上官でもあった祖父だけは「お前だけでも生き残ったんだからそれでいいじゃないか、よく生きて帰ってきた」と吉沢さんを励ましたそうです。 結果吉沢さんは不利な状況下でなんとか祖父のお陰で命拾いし、そこでやはり彼にとって特別な思いが芽生えたのだと思います。
戦後燃料の仕事を始めた際に祖父は炭などを彼から仕入れてきたり、（彼自身が炭を作っていたのかそれとも炭焼きの知り合い等に顔が効いたのかは不明）関わりはあるにはあったようですが、半世紀以上経って祖父が亡くなった時彼が一目散に飛んで訪ねてきたのにはこんな理由があったそうです。 補足ですが、葬儀には首切りさんと言う人も来たそうです。
父も子供の頃などに話を聞いていて恐ろしいと言うかよう生きとったな、と思ったそうです。その首切りさんというあだ名は戦時中彼が首をよく切っていたからだそうです。まぁ要するに上官に言われて捕虜の米兵とかの首を切るんですよね。
だから首切りさんと言うあだ名だったそうです。 他にも玉無しさんと言うあだ名の人もいたそうで、その名の通り金○玉が無いんだそうです笑 その人も戦時中海軍で祖父の部下として機関砲等を撃っていたそうですが、ある戦いで敵の戦闘機の機銃掃射か何かがアソコに当たって玉無しになったと…
戦後も商売を営んでいたウチに祖父を訪ねて良く来たそうですが、店に彼が来ると婆ちゃんが「ｱﾝﾀｧｯ玉無しさんがｷﾀﾖｯ！」といつも言っていたそうです笑 そろそろ終わりにしようと思うので最後にひとつ。
先述した通り祖父は戦時中ある島に駐屯していたことがあったそうですが、そこは今でこそ中国の島ですが当時はちゃんとした原住民が居て中国では全くなかったそうです。
そこの現地人の子供とも必然的に仲良くなったそうで、ある時祖父に「何とか〜の鳥？は満月の夜になると捕まえても籠に閉じ込めても消えちゃうんだよ」みたいな地元の迷信を言ってきたそうです。祖父が「そんなバカな話あるかぁ笑 どれやってみせてくれ」みたいなことを言ったそうです。
そしてある満月の夜にその少年と祖父はその鳥かなにか？を捕まえておいて籠に閉じ込めておいたそうです。しっかりとやって見張っていたそうですが、どうも眠くなってきてうとうとしているとその間に気付けば忽然と鳥が居なくなったそうなんです。
しっかり隙間なく置いてあって重りもしていたそうなのですが…
で祖父は世の中不思議なことや分からんことはまだまだあるんだなぁと思ったとか。他にも地元の住民に薬を上げたりと色々と交流していたそうです お祖父様やさしい人だったんだな
水木しげるのエピみたいでいいね 自分が覚えているのはこんな感じです。父が今は亡き祖父について知っている事は当然自分より100倍も200倍も多いと思うのですが、それでも戦時中の事など特に祖父でも話したがらないようなことはあったそうですし、戦争というのは辛い事も多かったんだと思います。
実際父でさえもっと色々んな事を聞いておけばよかったと後悔するところを見かけます。そんな状態なので自分が知ってるのは1割にも満たないと思いますが、父が元気なうちにもっと色んなことは聞きたいなと思います。だからどうか皆さんも家族を大切にして色んな話を聞いてあげてください。
戦争経験者のご家族がいるなら尚更聞いてみて欲しいですし、それ以外でも気にかけてあげて欲しいです。その人にしか出来ない、その人自身の人生があって歴史があって見てきた景色があってホントにそれを知ることが出来るのは家族である皆さんにしか出来ないと思います。
自分はまだまだ未熟ですがこう言う昔話が好きで、また面白い話が聞けたらスレを立てようかなと思います。
長文駄文失礼しました >>12
ありがとうございます！自分は会ったことありませんが、ホントに厳しくて厳格な人だったそうですが基本は面白くて子供好きの話好きの人だったそうです VIPでいきなりなんだあ？と思い開いたら普通に興味深い話だった ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
