大阪市此花区の柔道教室に通う市立小1年の男児(当時6歳)が
昨年11月、練習後に死亡した事故で、
業務上過失致死罪に問われた指導者の阪本剛被告(36)に対し、
大阪地裁(中川博之裁判長)は5日、
求刑通り罰金100万円の判決を言い渡した。

 中川裁判長は、「柔道は事故が起きやすいスポーツ」と指摘。
阪本被告には、男児に対する受け身の指導が不十分だった過失があるとし、
「『受け身の練習を繰り返すと男児が柔道をやめるかも』と安易に考え、
十分に受け身を身につけさせなかった責任は重い」と述べた。

 判決によると、阪本被告は昨年11月10日、
男児に連続して足払いなどをかけて頭を激しく揺さぶり、
急性硬膜下血腫のけがを負わせ、1週間後に死亡させた。

 検察側は冒頭陳述で、男児が練習中に時計を見たため、
阪本被告は「やる気がない」と考え、激しい稽古(けいこ)をさせた、と指摘した。
阪本被告は「頭を強打しなければ大丈夫と思った」と説明したという。
検察側は、母親が心情を記した文書を読み上げた。
文書には「最後まで息子は柔道を頑張っていた。
今も亡くなったことを受け入れることができない」と記されていた。

 起訴内容によると、阪本被告は昨年11月、受け身の習得が不十分な男児に連続して立ち技をかけ、
約1週間後に脳腫脹(のうしゅちょう)で死亡させたとされる。
大阪区検は今年5月、略式起訴したが、大阪簡裁は通常裁判が妥当として「略式不相当」と判断し、
審理を大阪地裁に移送していた。【苅田伸宏】