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ぼくら(仲良し)「ビアンカだろ!」「いやフローラだろ!」キャッキャおまえらくん「いやデボラだから(真顔)」

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2024/06/23(日) 15:11:35.667ID:gPwm/d5O0
お、おう…
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2024/06/23(日) 15:11:52.624ID:eak4Fqhed
ルドマンだが
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2024/06/23(日) 15:12:29.929ID:F7AzWqWF0
マーサガイジが来るぞ
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2024/06/23(日) 15:13:51.720ID:v0EsJ9O/0
>>3
娘の?
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2024/06/23(日) 15:13:57.800ID:qNN69mFE0
メイドのおばちゃんだが
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2024/06/23(日) 15:15:16.863ID:OO54Z71K0
「おお、サトチー。なんと水のリングを手に入れたと申すかっ!」
その丸々と太った男、ルドマンは嬉しそうに立ち上がった。
「はい……これが水のリングです」
サトチーと呼ばれた男の手の中には、とても美しいリングがある。
一瞬我を忘れ、水のリングに見とれるルドマン。

「……ゴホン! サトチーよ、素晴らしい働きであった!約束通りフローラとの結婚を認めよう!
 フローラもサトチーが相手なら文句は無いであろう?」
ルドマンはフローラに視線を移す。
「ええ、お父様……。……? そちらの女性は?」
サトチーの背後には金髪の女性が立っていた。
金髪の女性――ビアンカは辺りをきょろきょろと見回した。少し経って自分が呼ばれた事に気づく
「……え? 私? ……私はビアンカ。サトチーとはただの幼なじみで……」
そういえば、どうして私はサトチーについてこの屋敷に来たのだろう?
そう考え、わざと用事を思い出したようにビアンカは慌てた。
「さ、さあてと! 用も済んだことだし、私はこの辺で……」
間髪入れず、フローラは立ち上がった。
「お待ちください!」
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2024/06/23(日) 15:15:40.819ID:OO54Z71K0
「もしやビアンカさんはサトチーさんの事をお好きなのでは……?
 それにサトチーさんもビアンカさんの事を……
 その事に気付かず私と結婚して、サトチーさんが後悔することになっては……」
ルドマンは、そんな娘の突然の言動に動揺した。
「ま、まあ落ち着きなさいフローラ。……では、こうしたらどうだ?
 今夜一晩、サトチーによく考えてもらって、
 フローラかビアンカさんか選んでもらうのだ……うむ、それがいい!
 今夜は宿屋に部屋を用意するから、サトチーはそこに泊まりなさい。
 ビアンカさんは私の別荘に泊まるといい。……いいかね?分かったかねサトチー?」
ルドマンのあまりの強引さに半ば呆れるサトチーとビアンカ。そしてフローラ。

しばらく戸惑ったが了承をし、サトチーはサラボナの宿屋へと足を運ぶ。
「ふう……ルドマンさんったら唐突過ぎるよ」

「結婚……結婚か。そういえばビアンカは綺麗になったなあ。
 お化け退治の頃は僕より元気だったのに……あんなに色っぽくなってるなんて。
 それにフローラさんも気品の良さが感じられる素晴らしい女性だ……
 ……ああ、どちらを選んでも僕は二人を傷付けてしまうことになるんだ……」
苦悩するサトチー。
「ビアンカ……ビアンカか……フローラさん……フローラさんか……」
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2024/06/23(日) 15:16:15.240ID:OO54Z71K0
  翌日 ルドマン廷

「よく来たなサトチー。さあ、決断はしたかね?」
ピリピリとした空気が敷き詰める部屋の中で寛ぐルドマン。
呑気なものだ。

「さて、それではサトチーが選んだ方に話し掛けるがいい」
サトチーはビアンカとフローラを見やる。
恥ずかしくてまともにサトチーの顔が見れずにうつむくビアンカ、
サトチーと一瞬目が合ったが、顔を赤くしてつい目をそらしてしまうフローラ。

サトチーはビアンカとフローラの真ん中に立つと、
正面にいる男性の両手を握り締めた。
「ルドマンさん……あなたには奥さんがいる。
 そんなあなたの手を取る僕を最低の男だと罵ったって構わない。
 でも……僕はあなたの強引さに惹かれてしまったんだ」
その言葉を聞き、ビアンカとフローラの目が点になる。

「な、な……な、なんと、この私が好きと申すか!?
そ、それはいかん! もう一度考えてみなさい!!」
さすがのルドマンも、予想だにしなかったサトチーの行動に動揺を隠せない。
だが、サトチーはルドマンのふくよかな両手を離そうとはしなかった。
「逃げないでください! 好きです。好きなんだ……ルドマンさん」
サトチーは真っ直ぐな目でルドマンを見つめる。
心を丸ごと包み込んでしまうようなサトチーの優しい目……
それによってルドマンの瞳は潤み、心は崩壊寸前だった。
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2024/06/23(日) 15:16:52.837ID:OO54Z71K0
「い、いかん……落ち着くのだサトチー! 考えてみなさい、私達は男同士ではないか!」
ルドマンは力を込め、自分の手を掴んでいたサトチーの手を振り払う。
「何故ですか? 男だからって……あなたを好きになるのはいけないことなんですか?」
サトチーの目は真剣そのものだった。
「サトチー……」
今度はルドマンがサトチーの手を握る。
途端に、サトチーの表情が明るくなった。
「サトチーよ……わしのケツの穴は締まりも悪いしイボ痔だけど……
 ……よろしくな」
最後の方は小声でとても聞き取れなかったが、サトチーにはそれで充分だった。


ガシャーン!

結ばれたサトチーとルドマンに何かが投げつけられた。
振り返ると、鬼のような形相を浮かべた貴婦人が……ルドマンの妻だ。
妻は、ルドマンが趣味でコレクションしていた食器、壷、女神像などをぶつけてくる。
「あなた、私への気持ちは嘘だったんですか!?
 あの時、永遠の愛を誓い合った私への気持ちは!!」
泣きじゃくり、広間にあった椅子を持ち、彼女はルドマンの方へ向かってきた。
「あなたを殺して私も死ぬわーっ!!」
しっかりとした造りの椅子の足が、ルドマンを狙う。
「危ない!」
サトチーの機転により、ルドマンの妻の特攻は辛うじてかわすことができた。
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2024/06/23(日) 15:17:36.473ID:OO54Z71K0
「ルドマンさん、逃げましょう! どこか遠くへ!」
ルドマンの手を取り、屋敷の入り口へ向かうサトチー。
しかし、サトチーの足は止まった。
入り口付近に二人の女性がいたからだ。
「サトチー……」
「お父様……それにサトチーさん……」
軽蔑……絶望……それらを含んだ瞳がサトチーとルドマンに投げかけられる。
「ビアンカ、フローラさん……すまない。僕は……」
ちらりとルドマンの方に目をやると、再び正面を向き、サトチーは屋敷の門をくぐる。
騒ぎを聞きつけ、ぞろぞろと集まってくる町人の視線さえ気にも止めなかった。
それだけ、サトチーにとってはビアンカとフローラの視線は痛い物であった。

無我夢中で走る二人。
「ハァ、ハァ……ヒィヒィ……ゼェゼエ……」
サトチーに手を引かれているものの、彼のスピードには到底付いて行けず、ルドマンは息切れを起こした。
「すいません、ルドマンさん。でも、もう少しすれば町の外ですから」
サトチーはルドマンの体を持ち上げ、抱えた。
「おおお!? サトチーよ……」
いわゆる「お姫様抱っこ」というやつである。
ルドマンの丸々とした肉体を抱え、必死で馬車へと走るサトチー。

その異様な光景は、後にサラボナの伝説となり、それを元にした絵画や饅頭が売り出されたとかなかったとか……
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2024/06/23(日) 15:18:06.422ID:OO54Z71K0
半年後――。

ルドマンは、サラボナに残してきた妻と娘に手紙を書いていた。
私の残した財産と屋敷は慰謝料として受け取って頂きたい……という内容の手紙を。
「何を書いてるんだい?」
ルドマンの手紙を、興味深そうに覗き込むのはサトチーだった。
「な、なんでもない」
サトチーに見られまいと、手紙を自分のふくよかな手でそっと覆うルドマン。
「ふふ、そう言わずに見せてごらんよ。ルドマンは恥ずかしがりやなんだね」
「何を言うか。サトチー……いや、あなたも意地が悪いな……ぽっ」

ぎこちないながらも、その微笑ましいやり取りは
まさに新婚夫婦そのものであった。


そう、愛はすべてを乗り越えるのだ。
この先どんな困難が待ち構えていても、
サトチーとルドマンはそれを乗り越えて行くことであろう。



                                           たぶん。





ドラゴンクエスト5 -天空の花嫁- 完
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2024/06/23(日) 15:18:58.811ID:CDZPDeAF0
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2024/06/23(日) 15:19:57.575ID:G/UVs/EOH
父親の意思を継ぐことより愛に生きたのか
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