2017年に栃木県那須塩原市の「栃木県西那須野自動車学校」に勤めていた男性=当時(51)=が自殺したのは、上司のパワハラが原因として、遺族が学校を運営する県交通安全協会などに約8300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、宇都宮地裁は20日、請求を棄却した。
 伊良原恵吾裁判長は判決で、上司らが男性を技能検定員から外したり、同僚への態度を☆(口ヘンに七)責したりしたと認めたものの「不法行為といえるほどの違法性は認められず、パワハラには当たらない」と判断。上司らの行為は「教習・検定業務の不統一を是正し、教習生からの信頼をつなぎ留めることが目的だった」と指摘した。
 遺族側は、上司らに「代わりはいくらでもいる。すぐに辞表を持ってこい」と☆(口ヘンに七)られたり、始末書を書かされたりするなど、自動車学校の組織的なパワハラがあったと主張していた。
 判決によると、男性は12年から同校に勤務し、17年2月に福島県内の自宅敷地内で自殺。自宅から家族に宛てた遺書や交通安全協会宛ての文書が見つかっていた。
 同協会側の代理人は「主張が認められ、安堵している」と話した。
(共同通信社)