あかいおんなのことしろいおねえちゃん
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①(ぺーじ)
ポタッ。
ほっぺたにつめたいしずくがおちてきました。
「あめだ。」
あかいふくのおんなのこがつぶやきます。
おんなのこがうえをみあげると、
もりのきのすきまから、まっくろなくもがみえました。
もうすぐよるがきます。 ②
「はやくおうちにかえらなくちゃ!」
おんなのこのすこしまえのほうを、
しろいふくのおんなのひとがあるいています。
「おねえちゃん!まってー!」
おねえちゃんといもうととふたり、
おうちのうらのもりをおさんぽしていたのです。 ③
おねえちゃんのながいかみが、
かぜにサラサラゆれています。
きょねん、おねえちゃんのうんてんしゅさんは、こういっていました。
「おねえちゃんはびじんさんだよね。
おじょうちゃんも、おおきくなったら
おねえちゃんそっくりのびじんさんになるよ。」 ④
ざあああああああああああああ。
アメがたくさんふりだしました。
いえについたころには、
おねえちゃんのふくが、
ちいさいたきみたいなってしまいました。
すぐにおねえちゃんはオフロにむかいました。
いつもなら、ふたりでばんごはんを
たべたあとにオフロにはいるのですが、
きょうはごはんはあとまわしです。 ⑤
そこで、おんなのこはかんがえました…
「そうだ!おねえちゃんをびっくりさせてあげよう!」
おんなのこはキッチンへいき、
いつもおねえちゃんがつかっているどうぐをならべました。 ⑥
「ほうちょうと!まないたと!あとミキサー
!どれもおもたいなあ…」
………… ⑦
…………
おんなのこはオフロのドアをあけました。
シャワーをしていたおねえちゃんは、
すごくびっくりしてうしろをふりむきました。
そのかおをみて、
おんなのこはうれしくてニッコリしました。 ⑧⑨(みひらき)
おんなのこはそのまま
おねえちゃんにかけよって、
おねえちゃんのおなかに
ほうちょうをつきさしました。 ⑩
「!!」
おねえちゃんはこえもでないくらい
いたがっているみたいです。
「いたい?おねえちゃん?
わたしもいたかったよぉ?」
「ああ!痛いい!!」
おねえちゃんがおさかなさんみたいに
あばれだしました。
おんなのこはおねえちゃんに、
ほうちょうをさしなおしました。 ⑪
おんなのこは、
なんかいもなんかいも、
なんかいもなんかいもなんかいも、
なんかいもなんかいもなんかいもなんかいもなんかいもなんかいも、
あばれるおねえちゃんのおなかやむねを、
ほうちょうでさします。
「何?!嫌っ!痛い!!」
「ずっといたかったよぉ?おねえちゃん?
でもわたしはそれでもよかったのに…
もりのなかにおいてきぼりは、
あんまりだよぉ…」
「がっ!あはあ!ああああ!」
グサグサグサグサ。
「おねえちゃんおへんじしてよ?きこえてる?」 ⑫
しばらくグサグサすると、
おねえちゃんはうごかなくなりました。
「うわぁ…オフロまっかっかになっちゃった…
あかいのだいっきらい!」
おんなのこは、おねえちゃんのうでを
ぐいっとひっぱってみました。
「だめだ…ミキサーよりもっともっと
おもたいや…」
………………………… ⑬
…………………………
ポタッ。
ぬるっとしたしずくが、
あかいくつにおちました。
あかいおんなのこはゆうやみのなか、
もりをあるいています。
むねに、あかぐろいブヨブヨしたふくろを
かかえています。 ⑭
じめんにバスタブくらいのおおきさの
あながあります。
おんなのこはそのまえでたちどまり、
「はぁはぁ…これでさいごっ!」
あかぐろいブヨブヨを
あなのなかにほうりなげました。
「おとなのひとのからだって、
とてもおおきいんだね!
なんにちたったかわからないよ!」
おんなのこはうれしそうです。
「でもこれで、
またさんにんいっしょにすごせるね!」 (うらびょうし)
え:かけない
おはなし:おれ
2024/4ニュー速VIP おまかせかぁ
この2人は売り飛ばされてそのとき運んだ人かな
3人のもう1人はお母さん…?んー ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています