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俺の人生を書いてみた
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垢版 |
2024/04/21(日) 02:10:54.282ID:zpWrmQ6e0
春の穏やかな日差しが差し込む部屋で、健人(けんと)は床に突っ伏していた。19歳の誕生日を迎えたばかりの彼は、薄汚れた部屋の片隅で、安物の端末を握りしめていた。

「くそっ!」

端末は勢いよく壁に投げつけられたが、画面は割れなかった。健人はその事実に虚しさを覚える。全てが上手くいかない。生きることさえも。

「あーー!! あー! くそ! くそ! なんで死ぬことすら出来ないんだ!」

健人は荒々しく髪をかきむしった。生きたくても生きることが難しい。だが、死ぬこともできない。死の恐怖が健人を縛り付けていた。

親友の雄一(ゆういち)を突然消してしまったことも、健人の心を重くしていた。ある日、虚無感に襲われた健人は、雄一との繋がりを断ち切るかのように、彼のLINEを削除してしまったのだ。それ以来、健人の心には埋められないほどの大きな穴が空いていた。

高校を卒業した後、健人は働くことに強い不安を感じていた。そのため、職業訓練校に通い、工場で働くことになった。だが、彼の人生はますます苦難に満ちたものになっていく。

健人の家庭は貧しく、母親は生活保護を受給していた。兄は税金を滞納し、口座を差し押さえられる有様だったので、健人は仕方なく兄に10万円を渡した。家ではガスが止められ、寒い季節でも水風呂に入る日々が続いていた。

工場での健人は、自分の無能さに苛まれていた。仕事中、彼はミスを連発し、先輩や上司から叱責されることが多かった。健人は自分を責め、会社の前の電柱に頭を打ち付けたり、雪に顔を埋めたりして、自分を痛めつけることでしか感情を発散できなかった。

死ぬ勇気もなければ、楽に死ねる方法も知らない。健人はただ虚ろな日々を送っていた。

ジリリリ・・・

健人は重い体を起こし、アラームを止めた。睡眠時間は2時間ほどだった。健人は早めにアラームをかけていたが、不安で眠れない日々が続いていた。

「はぁ、また1日が始まるのか・・・」

朝の動悸だけで健人の体力は消耗していた。服を着崩し、外に出ると、自転車に跨り、ネガティブな曲を小さな音量で流した。健人は自己投影できるこの曲に、わずかな安らぎを感じていた。

自転車を駐輪場に止め、更衣室で作業着に着替える。入社当初は元気よく「おはようございます」と挨拶していたが、今ではそれすらもできなくなっていた。

そして、単純作業を繰り返すだけの仕事が始まる。健人はカラになった頭で、創作小説の続きを考える。それは健人にとって、仕事を乗り切るための唯一の救いだった。

「ごめん、今日も2時間残業お願い!」

「はい、分かりました・・・」

健人は毎日2時間の残業をこなしていた。2時間という時間が、健人の心をさらに蝕んでいく。

親友も、自我も、楽しみも、感情も失った健人にとって、仕事終わりに自転車に乗りながら聴く音楽だけが唯一の楽しみだった。朝は小さな音量で聴いていた曲を、少しだけ大きくする。この瞬間だけは、健人の心にわずかな喜びが生まれるのだった。

だが、その喜びも束の間、健人の心は再び深い闇に落ちていく。
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2024/04/21(日) 02:11:16.414ID:zpWrmQ6e0
ジリリリ・・・

また1日が終わった。健人は疲れ切った体を引きずるようにして自転車をこいだ。今日も仕事でミスをして、上司に叱られた。健人の心はもう限界だった。

「なんで僕は生きてるんだろう・・・」

健人はぼそりとつぶやいた。生きる希望も、生きる意味も見出せない。親友もいない、孤独な人生。健人は自分の存在意義を見失っていた。

家に帰り着くと、健人はいつものように水風呂に入った。冷たい水が健人の体を包む。

「あぁ・・・」

健人は小さく呟いた。このまま溺れて死ねたら楽なのに・・・そんな思いが頭をよぎる。

だが、死ぬ勇気もない。健人は虚しく笑った。
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2024/04/21(日) 02:11:21.414ID:zpWrmQ6e0
次の日、健人はいつものように自転車をこいでいた。今日も仕事に行かなければならない。健人は重い足をペダルに乗せ、必死に自転車をこいだ。

「あ・・・」

突然、健人は目の前に飛び出してきた猫を避けようと、ハンドルを切った。だが、バランスを崩し、健人は自転車ごと転倒した。

「いたっ!」

健人は痛みに顔を歪めた。転倒した拍子に、健人の頭は縁石に打ち付けられていた。

「くそ・・・」

健人は頭を押さえながら立ち上がった。自転車を確認すると、前輪が歪んでいた。

「もう最悪だ・・・」

健人はがっくりと肩を落とした。自転車は健人の足のように、健人を支えてくれる大切な存在だった。

健人は自転車を押しながら歩いた。歩道橋を上っていると、ふと下を見下ろした。

「ここから飛び降りたら・・・」

健人の頭の中に、突然そんな思いが浮かんだ。

「死ねたら楽になるのかな・・・」

健人は欄干に手をかけた。下を見ると、目が眩むような高さだった。

「怖い・・・」

健人は欄干から手を放した。死ぬこともできない。健人は自分の弱さに失望した。

だが、その瞬間、健人の足がすくんだ。欄干から手を放したはずなのに、足が前に出ない。

「え・・・?」

健人は混乱した。なぜか体が勝手に動き、欄干を乗り越えようとしていた。

「やめろ! やめろ!」

健人は自分の体を止めようとした。だが、体は健人の意思に反して動き続けた。

「やめてくれ・・・!」

健人は必死に抵抗したが、体は健人の意思などお構いなしに動き続けた。

そして、健人は欄干を乗り越え、空中に投げ出された。

「あ・・・」

健人は自分の体が落下していくのを感じた。頭が真っ白になり、何も考えられなかった。

「ごめん・・・」

健人は誰に言うでもなく謝った。そして、地面に激突した。

健人は死んだ。自ら命を絶ったのだ。

健人の人生は、虚ろな日々の中で終わった。誰にも救われることなく、ただ虚しく散っていった。
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