■孤独アリは病気や老化を引き起こす「活性酸素」が多かった
 

 続いて、グループアリと孤立アリの体の中で、どんな遺伝子が発現(※)しているかを調べた。注目したのは、次の二つの遺伝子だ。

(1)グループアリではたくさん発現しているけれど、孤立アリでは発現が少ない遺伝子
(2)グループアリでは発現が少ないけれど、孤立アリでは発現が多い遺伝子

 こういう遺伝子が900種類ほど見つかったが、その中には活性酸素を作る遺伝子と、活性酸素を消す遺伝子が多く含まれていた。活性酸素は、私たちが吸う酸素が変化してできるもので、生物の体に必要な働きをする一方、多くなりすぎると細胞を傷つけて病気や老化を引き起こす原因となる。

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