大きな揺れが落ち着き、校庭に出た菊池さんら生徒約210人は、村上洋子副校長
(63)(当時)の「点呼はいいから、走れ!」の指示で、即座に駆け出した。

隣接する鵜住居小に動きはなかった。「もし残っていたらやばい」。菊池さんたち
は「津波くるぞー、早く逃げっぺー」と校舎に向かい叫んだが、反応はなかった。
「津波が来たら、助からない」。そう思いつつ、走るしかなかった。

すれ違いで、地元消防団6分団の二本松誠さん(57)が小学校の敷地に車を乗り入
れた。2人の子供が同小に通っていた。二本松さんが急いで校舎に入ると、児童の
多くが3階へ避難している途中だった。「何やってんだ。早く高台へ避難し
ろ!」。教員たちは慌てて、外に出るよう指示した。

ttps://www.bosai.yomiuri.co.jp/feature/1831