愛媛県庁でおよそ50年にわたって税金の計算や会計業務などに使われてきた大型の演算装置、電子計算機の運用が20日で終了となり県庁で催しが行われました。

愛媛県庁の機械室に設置されている電子計算機は、縦およそ1メートル80センチ、横およそ60センチで、複雑なデータ処理を高速で行うことができ、昭和48年の導入からおよそ50年にわたって税金の計算や会計業務などに使われてきました。
県は、さらに職員や県民の利便性を高めるため電子計算機に代わる新たなシステムを導入していて、電子計算機の運用が20日で終了されることになり、県庁に職員や企業の関係者が集まって催しが行われました。
このなかで県デジタル変革担当の山名富士部長が「愛媛県政を縁の下で支えてきたシステムが役割を終えるのは寂しい。長年のサポートに感謝したい」とあいさつしました。
このあと山名部長が大型の電子計算機の電源を切り業務を終えました。

【元職員「ありがとうの気持ちでいっぱい」】
愛媛県によりますと、電子計算機は国内の大手電機メーカーが経済が急成長した昭和30年代後半に開発したものだということです。
愛媛県には昭和48年当時の白石春樹知事のときに導入され運用が始まりました。
当初は自動車税の計算や県職員の給与など4つの業務で使われていましたが、平成2年度には最大で79の業務を担い県政の運営を支えてきたということです。
電子計算機の運用終了にあわせて行われた20日の催しには、県職員としておよそ15年電子計算機のプログラム作りを担当した中城秀水さん(72)も参加しました。
中城さんは「私が県職員になった当時は計算する時にはみんな『そろばん』を使っていました。電子計算機の導入によって業務が比べものにならないほど効率化されたと思います。私の県庁生活の大部分が電子計算機と関わっていましたので役割を終えるのは寂しいですが、『ありがとう』という気持ちでいっぱいです」と話していました。