取引先Ａ「例の件考えてくれましたか？」俺「今は立て込んでおりますので」
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取引先Ａ「激動の時代こそ、地力のあるリーダーが不可欠です」
取引先Ａ「我々はトップを目指しています。お力を貸してはいただけませんか？」
取引先Ａ「Ｂ社のようなロートルでは実力にレバレッジが利かない…失礼ですが、あなたのような優秀な人材には損な環境でしょう」
俺「勿論わかってますよ。腰掛けです」
俺「…といっても、昔からの延長の付き合いがあるだけで、今は仕事での直接の繋がりはほとんどありません」
取引先Ａ「フッ…釈迦に説法でしたね。色よいお返事を期待しておりますよ」
俺「……」 取引先Ｂ「俺君、まだはっきりした答えをいただいていなかったね」
俺「私のことは保留で…不都合でしたら候補からお外しください。これは私のキャパシティの問題なのです」
取引先Ｂ「報酬は余所より出す。メンバーも業界トップのオールスター、何が不満なんだ？」
俺「私なぞには本当に勿体ないお話です。ですが、私の手は二つしかありませんよ」
取引先Ｂ「ハハハハ！ 違約金くらい払ってやるから、木っ端の仕事なぞ切ってしまえ！」
俺「金で裏切る人間にプロジェクトの核を任せられますか？」
取引先Ｂ「やれやれ、食えん男だねｗそういうところが気に入っているが」
取引先Ｂ「そうそう…わかっているとは思うがね…Ｃ社はやめておきなよ」
取引先Ｂ「ビジネスの時代が変わる時にあの手の詐欺師が無数に現れる」
取引先Ｂ「あそこの事業構想は実態も将来性もない。担がれても、投資家から金を無心するためのトロフィーになるだけだぞ」
俺「Ｂさんには及びませんが…私なりに業界の絵図はある程度見えているつもりです」
取引先Ｂ「ハハハハ！賢い人間はキライじゃない。好きにやるといいさ」
取引先Ｂ「俺から言えるのは、ウチに来れば後悔させないということだけだ」
俺「わかっております」
やれやれ、人気者は辛いぜ…ｗ 取引先Ｃ「イエスと言っていただけませんかね？それだけで我々のプロジェクトは大きく前進する」
俺「不義理をかますわけにはいきませんよ。これは私の性格の問題です」
取引先Ｃ「私くらいには本音で話してもらいたいところですね」
取引先Ｃ「我々は新市場の心臓を幾つも握っている。大企業との共同開発も決まっています」
取引先Ｃ「出資したいと言ってるエンジェル投資家はいくらでもいる」
取引先Ｃ「一日だって惜しいんです。今すぐ本格的に我々と手を組んでいただきたい！」
取引先Ｃ「…ま、急かして嫌われても仕方ありません。また何かあればすぐに知らせますよ」ﾊｧ
俺「すみません」
取引先Ｃ「…そういえば、最近Ａ社と仲がいいそうですね」
俺「いえ、特別そういうわけでは…」
取引先Ｃ「何を吹き込まれたか知りませんが…あんなパッとしない弱小と手を組んじゃいけませんよ」
取引先Ｃ「今すぐあなたが会社を起こせば、あそこよりずっと人材の揃った企業が即日で完成しますよ」
取引先Ｃ「資金難で出資元に散々権利も抜かれてる。何一つ益がないところだ」
俺「Ａ社さんとは個人的な友人付き合いです。お仕事もほんのバイト程度でして…」
取引先Ｃ「…じゃ、そういうことにしておきましょう」
取引先Ｃ「必ずウチにきてくださいね。我々なら…あなたさえ来ていただければ、世界を変えられるんです」
俺「買い被りですよ」ﾆｺｯ
やれやれ、人気者は辛いぜ…ｗ 取引先Ｄ（巨乳）「わたしぃ、よくわかんなくってえ。でもプロジェクト任されちゃってえ」
取引先Ｄ（巨乳）「元々ただのバイトだったんですよお」
俺「うんうん、中小が社長の思い付きだけで強引にセンセーショナルな新規事業始めたら、人材もいないしノウハウもないからそういういい加減なことが起きるんだよね」
取引先Ｄ（巨乳）「ね〜俺さぁん、詳しいんですよねえ。助けてくださいよお」
俺「うんうん、振興事業だからモデルケース少ないし大変だよね」
俺「俺はコンサルとして入って他社のＰＬも見たことあるから、とりあえずの見込みは今日の内に立てられるよ」
俺「何でも相談してね。足りない人材は俺が引っ張ってくるか、徹夜でどうにかするよｗ全部できるしｗ」
取引先Ｄ（巨乳）「俺さんやさしーマジ神〜！」
俺「うん、うん。あ、これとこれは業務外で趣味として適当にやって上げるよ」
俺「どうせまともに経費降りてないしいつ実働できるかも怪しい段階でしょ？」
取引先Ｄ（巨乳）「ありがとうございます〜！今度飲み行きましょうよ〜！」
俺「うん、うん」
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