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兵庫県尼崎市は、飼い主から死んだペットを引き取る際の手数料の支払い方法を、事前購入する「ごみ処理券」から、現金に変更する。家族同然に暮らしてきた犬や猫の死体を、ごみと表現されることへの批判があり、市は「大切な家族の一員を失った市民の心情に寄り添いたい」としている。

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 動物の死体は一般廃棄物として扱われる。火葬などをする場合は、民間のペット専用の葬祭業者に依頼するケースが一般的だ。自治体によっては、ペット専用の焼却炉を持っている。

 尼崎市では、飼い主から引き取りの要請があれば、委託業者が訪問して回収。市南部のクリーンセンターで、一般家庭ごみと同じ焼却炉で焼かれることになる。
 2022年度は、猫101匹、犬73匹、その他ウサギやインコ、カメなど計38匹を引き取った。手数料は一律2700円。飼い主はコンビニエンスストアなどで、ごみ処理券(300円)9枚を購入し、業者に手渡すことになる。

 飼い主からは「愛犬をごみ扱いされることに抵抗がある」などの声があり、SNSでは対応を疑問視する意見もあった。尼崎市は昨年7月、死んだペットの扱いについて、ホームページの案内を「ごみ・リサイクル」から、「衛生・ペット」の欄に変更した。
 4月からは、市業務課内に職員3人を配置。職員が直接訪問してペットを引き取り、手数料は現金で受け取ることにした。新年度予算案に、回収用の軽乗用車のリース代などとして65万円を計上している。

 神田達也課長は「ペットが使っていた思い出の品々も一緒に預かるなど、きめ細やかな対応をしていきたい」としている。