【ニューデリー時事】世界最高峰エベレスト(8848メートル)の麓にあるネパールの地元自治体は、3月以降のエベレスト登山者に対し排せつ物の持ち帰りを義務付けた。近年、登山者が残したロープや酸素ボンベだけでなく排せつ物による環境汚染も大きな問題となっており、対策に乗り出した。

 自治体や英BBC放送によると、登山者には排せつ物を固めてほぼ無臭化する化学物質などが入った袋を購入してもらい、ベースキャンプまでの持ち帰りを義務付ける。他のごみの持ち帰りや、キャンプでの清掃活動参加も求める。近接する8000メートル峰ローツェの登山者も対象となる。

 自治体トップのミグマ・シェルパ氏はBBCに「私たちの山が臭い始めた。人の便が岩に付着しているのが見え、体調を崩す登山者がいるとの苦情を受けた。受け入れ難いし、イメージを損なう」と語った。

 エベレストは気温が低く、排せつ物が分解されず長い間残るとされている。正確な統計はないが、山頂へと続く各キャンプに残された排せつ物の総量は約3トンに上るとの推定もある。

時事2024年02月15日07時08分
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