山口県下関市の民間事業者が、関門海峡にワイヤロープを渡して滑り降りるアトラクション「メガジップライン」の整備を計画している。実現すれば、日本一の長さとなる全長1740メートル。スリルを味わいつつ雄大な景色を楽しめ、訪日客や愛好家を集められる観光コンテンツとして期待される。北九州、下関両市も「関門エリアの観光の起爆剤になる」と、行政支援のあり方について本格的に検討を始めた。

 2025年春の開業を目指すメガジップラインは、同社の大久保誠社長(59)が6年前から構想を温めてきた。「世界から人が呼べるインパクトのあるレジャー施設をつくりたい」。夢のような話から始まり、行政各機関に相談しながら実現可能性を探ってきた。

 計画が加速するきっかけになったのが、今年4月に国土交通省中国運輸局が示した“お墨付き”だ。実現可能性を調査した結果、船が航行するために必要な海面からの高さなど法的規制や設備の安全性確保など、全ての課題をクリアできれば「可能」との見解を示した。新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行し、観光振興に力を入れる北九州、下関両市は5月末、トップ会談を開き、ジップライン実現に向け協力することで合意した。