線虫がん検査「N-NOSE(エヌノーズ)」。
線虫という小さな生物を利用し、尿の匂いから胃がん、大腸がんなど15種類ものがんのリスクを一度に判定できる検査だ。「HIROTSUバイオサイエンス」社(本社・東京都千代田区)が2020年1月に世界で初めて実用化した。
少量の尿を提出するだけでよいという簡便さや手頃な価格、広告などでうたわれる高い精度が話題となり、
すでに40万件以上が販売されている。スタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL」の最新レポートによれば、
HIROTSU社の評価額は1050億円。国内のスタートアップ企業の中で14位につけるユニコーン企業である。

テレビCMには東山紀之さんら有名タレントを起用。仲間さんが出演する冒頭のCMは、6月から放映されている新作だ。

世界進出や上場に向けた準備も進めるHIROTSU社。しかし今、医療関係者の間で密かにささやかれていることがある。
“N-NOSEは怪しい。偽陽性や偽陰性の多い、問題のある検査だ。”
もしそれが本当なら、検査の高い精度を信じて利用した大勢の人々が、水面下で被害に遭っていることになる。
被害の中には、命に関わるがんの見逃しも含まれるだろう。
NewsPicksは医療界やHIROTSU社の関係者らに取材を重ね、この疑義を検証した。徐々に浮かび上がったのは、まさに「虚飾」と呼ぶほかない、線虫がん検査の驚くべき実態だった。

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