J2で首位を独走するFC町田ゼルビア、黒田剛監督(53歳)のインタビュー。
“高校サッカーの名将”は、昨季15位だったチームをどうやって変えたのか? 
そして禁断の移籍、ロングスロー、時間稼ぎ……賛否の声にどう答えるのか? 本人に聞く。

「町田は時間稼ぎをした」批判

 国立での町田と東京Vの一戦は、サッカースタイルの違いからもファンや関係者の間で様々な議論に発展した。

 前半に町田が2点をリードしたが、終盤に東京Vも2点を返し2-2のドローで終わった。
堅守速攻をベースとする町田とボール保持志向の強い東京Vの戦い方が対照的だったこともあってか、町田のサッカーについて「守備的で面白くない」「勝負に徹し、時間稼ぎも厭わない」などと、なかには批判めいた声も聞かれた。

 こうした声は青森山田でも町田でも結果を出し続けている黒田監督に対し、やっかみの感情が含まれてのことだと想像する。

「(あの試合では)後半に時間稼ぎをしたと言われましたが、実際にはどこのチームもやっていることです。ウチが極端なわけでもなければ、程度の差はあれ、ヴェルディだってリードした試合ではやっていましたよね。
先にリードを許すことに問題があるわけですから、相手を非難する前にそこを改善することがやるべき仕事だと私は思います。

 たとえばヴェルディがボール保持を大事にするサッカーをやっているとすれば、それが彼らにとって理想的なのでしょう。
町田には町田のサッカーがあるし、理想を追求するのもサッカー、理想を打ち破るのもサッカー。私はいろんなサッカーがあっていいと思うんです。だからサッカーは面白いんです。
その中で、勝つために何を最優先させていくかを見定め、チームコンセプトとして明確に落とし込んでいくことが大切なんだと思います」

 プロのチームがどんなサッカーを選択するかは、すべては目的達成のためであり、その達成のために必要かつ合理的なサッカーを目指すべきだと黒田監督は話す。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1ae32cfaae6acc3512242d2f0d63abac62e613b9