関係閣僚らが漁業者と面会を重ね、理解が一定程度進んだと期待。岸田文雄首相が同原発を視察した上で、漁業関係者らと直談判し局面打開を図る。だが、地元漁業者の放出反対の思いは強い。

 2011年の福島第1原発事故で、地元漁業者は一時操業自粛を余儀なくされるなど大きな打撃を受けた。政府と東電は15年、福島県漁業協同組合連合会に「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分も行わない」と約束した。

 政府は漁業者の理解を得るため、風評被害対策や漁業継続への支援として、計800億円の基金を創設。処理水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度測定を一定期間強化することも決めた。

 こうした政府の動きを踏まえ、全国漁業協同組合連合会は6月に採択した特別決議で「信頼関係を積み重ねる対応を行ってきたことは、重く受け止める」と表明。7月に西村康稔経済産業相と面会した坂本雅信会長は、反対姿勢を堅持しつつも、「科学的(な)安全性に関しては一定程度理解できた」との見解を述べた。
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