女性によると、事故があったのは4月30日の昼下がりだ。四男は三男(11)と一緒に自宅の庭でボール遊びをしていた。すると、ボールがフェンスを越えて敷地外の市道へ。四男は転がったボールを拾い、庭に投げ入れ、戻ろうとしていた時に乗用車にはねられた。

 「ぎゃっ」。女性は悲鳴を聞いて外に飛び出した。四男は路上にうつぶせに倒れ、数メートル先にはボンネットがへこんだ車が止まっていた。

 手が震えてスマホがうまく握れなかった。何とか119番通報し「きゅっ、救急車を!」と声を絞り出した。女性は四男に付き添い、救急車で市内の医療機関へ。幸い、命に別条はなかった。

 女性が、けがの応急処置を終えた四男とともに帰宅したのはその日の午後6時半ごろ。現場に駆け付けて捜査に立ち会い、先に帰宅していた夫から耳を疑うようなことを聞かされた。

 「捜査を担当した上田署の係長が、物損事故(扱い)でもよいのではないかと言うんだよね」

 「息子が大けがをしたっていうのに…」。女性は疑問に思い、署に電話した。すると、係長は署に来るよう求めた。署に赴くと、係長は改めて「物損事故でもよいのではないか」と言った。

 将来どんな影響が出るかも分からない人身事故。物損扱いにされたら、十分な補償が得られなくなる可能性もあるのではないか―。「それはおかしい」。女性は抗議した。


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