平成の大合併で生まれたヤバい地名を淡々と語る
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最初は「ひらがな地名編」 1.さいたま市
もともと浦和と大宮では規模が同程度であり、どちらかの名を冠するのは住人の感情として難しかった。そこで公募をすると、一位は埼玉市となる。しかし、ここで行田市から埼玉市はやめてほしいとクレームが入る。と言うのも、行田市はかつての「埼玉郡」の中心であり、南県部でありもとは北足立郡であった市に使われるのは我慢ならないと言うのだ。紆余曲折の末、結局ひらがなにすることとなってしまった。 2.かすみがうら市
新治郡に所属していた2町の合併ということで、新市名候補には「新治市」が挙がっていたが、知名度の観点から霞ヶ浦の名が採用された。しかし、このままでは千代田町が吸収されたような印象になるため、ひらがなにすることで強引に解決。そもそも霞ヶ浦町は合併の8年前まで「出島村」であり、出島町として存在していれば霞ヶ浦市でもよかったはずだ。 3.つくばみらい市
従来のひらがな名称は既存の地名をひらがなにしたものがほとんどだった。しかし、さくら市、みどり市など非地名名称が続々と登場し、ついに爆誕したのが完全な抽象名詞を冠したつくばみらい市。最終的な市名候補にも「みらい市」「みらい平市」「筑波みらい市」があり、「みらい」に強いこだわりがある。理由として、新線であるつくばエクスプレスの「みらい平駅」に乗っかりたかったから、と言われている。「筑波みらい市」と「つくばみらい市」が拮抗して譲らず、じゃんけんによる決定も提案されるほどであったと言うこの市には薔薇色の「みらい」が待っているだろう。 4.あわら市
比較的新しい温泉である芦原温泉を中心に北陸有数の温泉地として発展してきた芦原町。隣の金津町との合併に際し、公募で新市名を募集した。一位は合成地名「芦津市」、二位がイメージ地名である「あかね市」、三位にようやく「あわら市」がランクインした。どれも新市名として好ましくないが、最終的に三位のあわら市となった。かすみがうら市のように吸収のように感じられること、さらに「芦原温泉」は「アシハラ温泉」と読まれてしまう、という温泉関係者の声もあり、「芦原市」とすることは叶わなかった。 5.いなべ市
古代から続く歴史ある地名である「員弁」だが、かなり難読な文字づかい。これは713年に出された「好字二字令」に由来する。この勅令により、「猪名」「猪奈」など比較的読みやすかった地名はいい意味を持つ「員弁」へと置き換えられた。合併する員弁町、北勢町、大安町、藤原町の4町はいずれも員弁郡域であるため、「員弁市」で良かったはずだが、難読であること、また何度も言われるように員弁町に吸収されたイメージを避けるためだとされている。「そこで問題ないなべ市」と書いてあったとき、問題な「いなべ」なのか問題ない「なべ」なのか知らなければ判断できないという問題も発生している。 6.さぬき市
香川といえば讃岐うどんというイメージは全国区だが、街で見かける看板は「讃岐饂飩」ではなく「さぬきうどん」が多い。それにあやかってだろうか、5町合併の新市名は「さぬき市」となった。公式見解としては「さぬきうどんや讃岐平野など知名度があること」とされているが、さぬき市域がうどんの本番ではなく、讃岐平野もべつにさぬき市だけの平野ではない。よって、さぬき市は「みんなの讃岐」を独占してしまったのだ。ちなみに、讃岐の東で「東讃市」も候補にあったが、「倒産」に通づるため没となったそうだ。 続いて「方位付き地名編」
7.四国中央市
一つの市が名乗る名前としてはあまりにも壮大すぎないだろうか。愛媛県に誕生した四国中央市は、その市域が旧宇摩郡域であったことから、公募では773件とダントツで「宇摩市」が一位だった。対して四国中央市は宇摩市の1/3の得票数269件であった。しかし、合併協議会による決選投票で、四国中央市と決定されたのである。中央といえば聞こえはいいが、ひっくり返せば「四国のどの県庁へも一時間」と、辺鄙さをアピールしているのである。全国的にも珍しい宇摩市は頭への残りやすさもばっちりだが、四国中央市ではどうも機械的で味気ない印象である。 いすみ市をちょっとまとめてみた
旧夷隅郡の夷隅町が他所と合併して抜けちゃったから現在の夷隅郡とは大多喜町と御宿町という地理的に隣接してない町同士であり
郡名由来の夷隅地区も不在で構成されている 8.西東京市
「1秒で矛盾」を煮詰めたかのような市名である。時間が経つにつれ話題に上らなくなったが、冷静に見直すとヤバさが浮き出る。しかも地理的には東京都の中央であり、あくまで「東京」とは23区のことを指しているようだ。東大阪市とか東広島市とか、「寄らば大樹」的な市はあることにはあるが、もともと方角がついているところにさらに方角を付け足すと言う滑稽さはこの市特有のものだ。ちなみに旧田無市には「南町」があり、なんとこれが継続されている。つまり、「西東京市南町」となるのだ。たったこれだけで3/4の方位を包囲するさまは実に感動的だろう。 9.中央市
もはや何県にあるのか、だれもわからないのではないだろうか。山梨県にある中央市からは、日本の中心たる意欲が垣間見える。前述の四国中央市ののちに誕生した市であるので、なおのこと驚愕である。まあ、新市名を決定するにあたってその地域をまとめて呼ぶような名前が存在せず、甲府市、甲州市、甲斐市と甲州関連で周りに3市があるため旧国名からとることも難しい。最終候補をみても、「国中市」「梨央市」「峡中市」と中央関連が多かった。苦渋の決断だが、もっと何かなかったのだろうか。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています