チビ陰キャの幼馴染を嫁に貰った
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すべての始まりは俺が中学一年生になった日。
家の事情で、小学校で仲の良かった奴らとは別の中学にはいることになった。
田舎の中学だから俺以外の他の生徒はみんな幼稚園から一緒のメンバーで、
入学初日なのに俺以外の生徒はみんな楽しそうに談笑していた。
俺は正直めちゃくちゃ気まずかった。
見慣れない土地に引っ越してきて、近所に知り合いなし、学校でも俺以外の
奴らはすでに友情を築き、俺の入る隙は一切なかった。 談笑の声で賑わう教室にポツンと俺一人。これからの中学生活、俺はボッチとして
三年間過ごす自分の姿を想像していた。
その時、ふと一人の生徒が目に入った。隣の席に座ってる女子だ。彼女は見るからに
小柄で、髪は肩ぐらいの長さだが前髪が重い。そして大きな丸眼鏡。
今風に言うなら THE陰キャという印象。
隣の席にいたのに全く気付けない程の影の薄さ。正直最初はこいつ幽霊かよと思った 中一の俺は「関わらんどこ」と思った。すでにボッチ確定してるくせに
変な見栄を張ってた。
先生の話やら自己紹介やら色々済ませて帰宅。家に着く頃には隣の陰キャ
の事を完全に忘れてた。
それから何日かして、俺は普通に友達ができた。きっかけは一歳年上の姉。
姉は美人らしく、その美人の弟ということで、謎に気に入られた(まあ姉目当てだろうけど) 田舎の中学なので二クラスしかなく、一クラスの人数も少ない。
俺はすぐ馴染めた。何がきっかけかは覚えてないが、元々コミュ力だけはあったおかげで、
気付いたら学年のほとんどと仲良くなってた。
あの陰キャを除いて あの陰キャとは入学してから一度も話したことがなかった。
というか声すら聞いたことがなかった。
クラスで陰キャに話しかける人は一人もいない。
授業の時も先生は陰キャを指名しない。
多分影が薄すぎて誰も存在を認知してなかった。 俺はなぜかその陰キャの事が気になってた。
別に可愛いわけでもない(てか顔よく見えんし)、恋愛感情一切なしに
気になってた。
まず俺はあの陰キャを観察した。そして分かったこと、それは、何もない!
何も分からない!陰キャは朝登校してくるとまず自分の席に座る。
それから帰りまでずーーっと変化なし。
何度か席を立つが向かう方向はトイレ。それだけ。
友達との会話もなし(いるか知らんが)、授業中の発言もなし。
このあたりで俺は本気であいつが幽霊なのではと思い始める。 中一の秋頃、俺は気付いた。俺、陰キャの名前知らなくね?
入学してから半年近く経つのに俺はそいつの名前を知らなかった。
というか何で俺は話しかけずに観察なんかしてるのだろう
気になるのなら話しかければいい
ということで俺は陰キャに話しかけることにした。
昼休み、普段ならクラスの男子とバスケをするがその日は適当に理由付けて
教室に残った。
教室には昼食後でウトウトしてる担任、
ラノベの話で静かに盛り上がる眼鏡君たち
そして隣には本を読んでる陰キャ&俺
なぜか心臓バクバクで緊張したのを覚えてる 勇気を出して陰キャの机の隣に立つ。それに気付いて俺の顔を見上げる陰キャ
相当目が悪いのか、分厚い丸眼鏡。初めて顔を正面から見たが、まあ普通
ぶすではなかった。ちゃんと身なり整えれば中々よさそう 目はぱっちり二重ででかい。でもなぜかそいつの目は死んでた
生気が感じられない。闇落ち感すごかった ここまで来て引き下がれない。俺は聞いた
「ずっと気になってたんだけど、名前なんていうの?」
陰キャ
「...〇〇..です」
ほかの女子より少し低い声。
あー幽霊じゃないな、そんなこと考えてたと思う 突然誰かに後ろから肩を掴まれた。
「お前..なにやってんの..?」
クラスのまとめ役、というよりガキ大将のMが険しい顔でそう言った 俺は「???」だった。え、なにって?何で怒ってんの?この陰キャ彼女?
バスケ終わりの友達が教室に入ってくる。Mはまだ肩を掴んでる。痛い。 俺はMに聞いた「なに?なんか怒ってんの?w」
M「そいつに関わんな..」
俺「なんで?wどういうこと?」
M「いいから関わんなって!!」
俺「だからなんで!お前の彼女か!?」
その瞬間Mに殴られた。 それからあまり覚えてない。気付いたら外は暗くなり始め、Mと俺の親が話し合いをしてた
その声をぼーっと俺は廊下で聞いてた。
廊下からMが歩いてきた。「ごめんな、いきなり殴って」
正直どうでもよかった。それより、何であの時Mはあんなに切れてたのか、
それだけ気になってた。 俺「なあ、お前なんであんなにキレたんだよ」
M「...」
俺「...やっぱ彼女?w」
M「ちがうってw」
俺「なんだよ積まんねw」
M「..あいつはただの幼馴染だよ」 Mの話。陰キャとMは親同士が仲良くて、赤ん坊の時から幼馴染らしい。
家も近いから毎日のように二人は遊んで過ごしてた。
Mによると陰キャは昔はもっと明るくて普通の女の子だったらしい M達が小学校三年生のころ、事件が起きた。陰キャの両親が離婚した。
原因は父親のDV。昔から暴力をふるう人だったらしい。
一番の問題はその父親が娘(陰キャ)を引き取ったらしい(なぜ)
それ以来陰キャはどんどん暗くなり、会うたび痣が増えていった。らしい それを聞いて俺は思った。なぜMは俺にキレたのか。
幼馴染が父親に虐待されてる、それは確かにつらいだろう。
でもなぜ俺にあんなにキレたのか
するとMは話を続けた。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています