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マック売りの少女
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2023/08/01(火) 18:47:24.418ID:WJGawW5Lr
やっていけそう
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2023/08/01(火) 18:49:26.693ID:N2JNBhsK0
時給700円
隙間時間に
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2023/08/01(火) 18:53:15.219ID:7Xqdkq2LM
新宿フルギ売りの親父

それは、ひどく寒いおおみそかの夜のことでした。
あたりはもうまっくらで、こんこんと雪が降っていました。
寒い夜の中、みすぼらしい一人の古着屋が歩いていました。
ハンチングもかぶらず、はだしでしたが、どこへ行くというわけでもありません。
行くあてがないのです。

どの家のまども明かりがあかあかとついていて、おなかがグゥとなりそうな
ガチョウの丸焼きのにおいがします。
そっか、今日はおおみそかなんだ、と古着屋は思いました。
一つの家がとなりの家よりも通りに出ていて、影になっている場所がありました。
地べたに古着屋はぐったりと座りこんで、身をちぢめて丸くなりました。
古着屋には、家に帰る勇気はありませんでした。
なぜなら、古着が一着も売れていないので、一枚の銅貨さえ家に持ち帰ることが
できないのですから。
古着屋の手は今にもこごえそうでした。
古着屋はマッチの束をだして、古着に火をつけました。
火は真昼の太陽よりも明るくなりました。赤々ともえました。
そして古着屋はふわっとうかび上がって、地面の下の、ずっと深いところにある
地獄の底の方へ、深く深く堕ちていきました。
そこには寒さもはらぺこも痛みもありません。なぜなら、地獄の閻魔様がいるのですから。

朝になると、みすぼらしい服を着た古着屋がカベによりかかって、動かなくなっていました。
ほほは青ざめていましたが、口もとはにやけていました。
おおみそかの日に、古着屋は寒さのため死んでしまったのです。
今日は一月一日、一年の一番初めの太陽が、一体の惨めななきがらを照らしていました。
古着屋は座ったまま、死んでかたくなっていて、その手の中に、古着のもえかすと
ヤフオクで売れ残ったハルヒのフィギュアがにぎりしめられていました。
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