インターネットの匿名ブログに「祖国へ帰れ」と差別投稿をされ、四年以上にわたる誹謗(ひぼう)中傷で
精神的苦痛を受けたとして、川崎市の在日コリアン女性が茨城県の四十代男性に三百五万円の損害賠償を求めた訴訟の第七回口頭弁論が二十日、横浜地裁川崎支部であり、同日結審した。
男性側は「投稿のいずれも損害を与えるものではない」と主張した。判決は十月十二日。

女性は崔江以子(チェカンイヂャ)さん(50)。訴状などによると、男性は二〇一六年六月、ブログに「崔江以子、お前何様のつもりだ!!」
とのタイトルで「日本国に仇(あだ)なす敵国人め。さっさと祖国へ帰れ」と投稿。
崔さん側は、同投稿がヘイトスピーチ解消法の「排除」類型に当たる差別的言動であって違法と訴えている。

この投稿は法務局に人権侵犯と認められ削除されたが、男性から腹いせに二〇年十月まで多数回にわたり
「差別の当たり屋」「被害者ビジネス」などと執拗(しつよう)に攻撃され、恐怖と苦痛を受けたとしている。

男性は病気を理由に出廷することなく、代理人とも取材を拒否している。
崔さんの弁護団によると、男性側は外国人にも住みよい社会を願う崔さんの発言を外国人優遇ととらえ
「日本人や日本という国家を害する」などと持論を展開。「一部の在日コリアンが思い上がった行動」「憎しみがますますわいてしまう」
とした過去の投稿を引き合いに「(帰れの投稿は)原告に向けられたものではない」などと主張している。(安藤恭子)

続きは東京新聞 2023年7月21日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/264485