スシロー、19歳アルバイトの春闘「お利口さんでは賃金上がらない」

東京駅近くで時給アップを求めて街宣活動をするスシローのアルバイトら=2023年3月19日、東京都千代田区、回転寿司ユニオン提供

労働組合が一斉に賃上げを求める春闘。40年ぶりの物価高から生活を守ろうと、今年は労働組合がない職場でもパートやアルバイトがユニオン(個人加盟型労働組合)に
入って闘うケースが目立った。大手回転ずしチェーン「スシロー」ではアルバイト歴3年の男子大学生(19)らが声を上げ、ストライキまでおこなった。
会社の業績が悪く、思うような賃上げには至らなかったが、成果は小さくなかったという。「スシロー争議」から労使交渉の意義を考える。

 「10%割引セールができるのに、なぜ10%の賃上げはしてくれないのですか」

学生は2月10日、春闘の労使交渉に臨み、スシローの運営会社の人事担当幹部らにそう訴えた。同じスシローのアルバイトやパート3人をはじめとしたユニオンの仲間が一緒だった。

当時会社が企画していた全品10%割引セールのきっかけは、店内での迷惑行為を撮影した動画がSNS(交流サイト)で炎上したことだった。若い男性客が備え付けのしょうゆボトルや湯飲みをなめる様子が映っていた。

店のイメージが悪化した一方、スシローを応援したいという声もSNSで上がった。会社がそれに応えようとセールを企画したところ、かえって客数が増えた。
学生は「炎上で通常よりも忙しくなったのに、僕らにはなんの報いもなかった」と振り返る。
https://www.asahi.com/articles/ASR7G3VPBR79ULFA00K.html