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2023/07/13(木) 00:21:20.935ID:jGAAS/Ss0単に人口だけを考えればワーストの鳥取県が思い浮かびそうだが、実は意外な場所だという。
「それは山形県です。鳥取は確かに人口は少ないですが、面積も埼玉より狭い小さな県です。山形の県土は、鳥取県に加えて隣接するワースト2位の島根県の大部分をあわせた規模に匹敵しますが、山陰では鳥取市・松江市と主要都市が2つあるのに対し、同じ面積の山形県には山形市以外にまともな都市はないのです」（県観察者）
つまり山形県は"山陰よりヤバイ"ということだが、その最大要因はストロー化現象だという。
「遠い県ほど都会に出たくても出られませんが、山形は中央と距離がそんなになく、平成の山形新幹線開業によって東京への流出が加速しました。また最寄りの大都市である仙台市が隣町で日帰り圏なので、山形市民は通勤通学や買い物などで仙台に依存するようになる。すると山形市内はスカスカになり、県内各地の人はわざわざ山形に集まることなく仙台や東京に出てしまうようになる悪循環が起きています」（交通マニア）
確かに山形市街は休日日中でも閑散としている。事実として鳥取や松江に先んじて全国で初めてデパートを失った県庁所在地でもあり、都会に吸われやすいという地理条件が山形を不幸にしている感は否めない。
しかしそれだけではない。田舎県の唯一のアドバンテージであり「食い扶ち」でもある観光業面が山形県はとにかく弱い。
「例えば山陰の場合鳥取には鳥取砂丘、島根には出雲大社や石見銀山があります。しかし山形県にはキラーコンテンツになりうる「この県といえばここ」という観光資源がない。日本人でも山形と聞いてぱっと思い浮かぶコンテンツが何もないんだから外国人が知るわけもなく、インバウンド特需の恩恵も絶望的です」（旅行愛好家）
もちろん何もない県というものが存在するわけはないだろう。だが、田舎の売りである風情が山形にはない。つまり山形人自身が地元の財産の存在に気づき、その価値向上や発信の努力をしなかったこと、県民の文化的無知蒙昧こそが諸悪の根源のようだ。
「鳥取砂丘は砂漠ではありません。日本唯一の正式な砂漠は東京の伊豆大島ですし、日本最大の砂丘は青森の下北半島にあります。鳥取砂丘はナンバーワンでもオンリーワンでもない。だが、この価値に気づき、保全に勤めたり全国に発信する努力を重ねて今があります。山形、いったい何をしてきたでしょうか？ちなみに山形県内だって庄内砂丘という砂丘はあります」（前出の旅行愛好家）
意外かもしれないが山形には歴史的な街並みの「重伝建」が存在しない。隣の秋田、福島、新潟にはあるのに山形だけ登録地区はゼロだ。秋田の角館武家屋敷群、福島の大内宿は有名だが、山形はそれに値する歴史的な街並みを残してこなかった。物事の価値を知らずに自歴史は買い、自然破壊をし、ダメな田舎はどこでもやっている土建屋利権政治の後追いのような安っぽい近代化にかまけたツケがいまに出ているのだ。世界遺産も当然一つもない。
「観光要素の存在は、県民のアイデンティティに直結します。沖縄人や京都人や道産子が方言を話し地元愛が強いのも、大量の観光客が価値を求めてきているからです。山形人はただの「掃いて捨てるような不便で遅れた田舎の１つ」という地元観しかなく、皮肉なことにインターネットや全国チェーンの普及がさらにその意識を加速させています」（郷土愛ウォッチャー）
最も深刻なのはとうの山形のしかるべき立場の人たちに危機意識がないことだろうか。
