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2023/06/21(水) 13:06:47.701ID:wZAJoP7Z02009年の衆院選では民主党が圧倒的得票を集めて自民党を野に下した。当時の選挙は投票率が近年稀に見る高水準で、「選挙にすらほとんどいなかない政治不信層」が動いたことでの大勝利だった。
今の立憲民主党は所属議員の多くは旧民主党系だが、あくまで形式上は民主党の後継は国民民主党であって枝野幸男画像反して立ち上げた立憲民主党とは異なる。立憲民主党は枝野体制以来、共産党とを含めた野党共闘（民共共闘路線）をとっているが、実はこれがネックなのだ。かつての民主党政権では共産党は連立しておらず、自民党とともに野党の立場にあった。
共産党は左翼イデオロギー政党で、自衛隊・在日米軍の否定や天皇制の否定、民主集中制など戦後日本の国柄に反し多くの国民にアレルギー意識のある非現実的な主張を根幹に掲げている。かつての社会党が一気に没落し、社民党として諸派転落寸前にまで陥っているのも、社会党が社会主義をイデオロギー政党であり、戦後左翼運動の悲惨な末路や冷戦崩壊によって国民の多くが拒絶したことが投票行動に反映されてのことだ。
それでも立憲民主党の結党当時は第二次安倍政権だったので、歴代自民党の穏健保守路線と比べても異質な右翼政治で、「毒を以て毒を制する」という意味で右に振り切れた政治を左に振り戻すために共産党を活用する発想は一定の支持は得たが、宏池会系でハト派の岸田文雄政権に切り替わり、さらには安倍元首相が暗殺されて旧安倍派も一気に退潮している今、野党第一党が「左に振り切れている」ことの方が国民から不気味に思われるのは当然である。
そもそも民主党は、平成の新党ブームに自民党を下野した小沢一郎が立ち上げた党がベースにある。その時掲げていたことは改革路線である。ロッキード事件や金丸事件などの金権腐敗による古い自民党の利権政治の否定によって民意の支持を受け、民主党は野党第一党に発展し、政権交代するに至ったのだ。あくまでそこに数合わせの論理で沈没船の社民党を見限った旧社会党系が合流していた野合集団であって、左翼思想に基づいた左翼政治のための政治集団ではない。
つまり究極的にいえば改革保守政党であり、今の「維新」と立場的には変わらないのである。古い自民党の利益誘導共同体の否定のみがベースにあり、器を大きくするためなら左翼も右翼も取り込んだので、思想的にはいまの岸田首相よりよほど右翼に振り切れた議員だっていた。南京事件否定論の西村眞悟元代議士や河村たかし名古屋市長だって元は民主党の国会議員だった。
ちなみに第二次安倍政権が当初うまくいっていたのも、部分的には「民主党的」だったからだ。たとえば民主党の看板政策だった「新しい公共」については「共助社会」と看板を付け替えながらも引き継いでたし、愛国右派に大人気の長尾敬元参議も政権交代とともに移籍した民主党出身である。岩盤規制の撤廃などの構造改革は小沢路線的であり、安倍版の「事業仕分け」である。若手の頃から官僚批判を繰り返した「自民党内の民主党的政治家」河野太郎が閣僚に出世したのも当時のことだ。
岸田政権になって自民党がコケているのは官僚の言いなりで利益誘導をする良くも悪くも古い小泉改革以前の自民党路線に回帰したことへの民意の反発にほかならず、国民は「民主党的なもの」を求めている。しかし立憲民主党が「社会党的」ならば当然拒絶され、自民党は自滅するが野党はもっとボロボロになる。だが、蓮舫や長妻昭あたりは個人としては改革政治家で大人気なのでブッチギリ当選する。これが立憲民主党が党として冴えない理由だったのだ。
