今年3月に発表された国別の「世界幸福度ランキング」で日本は47位となり、前年の54位からは上昇した。
一方、独身研究家・荒川和久氏は、「年齢」「既婚か独身か」「年収がいくらか」によっても幸福度に大きな差が出ると指摘する。
日本の人口の半分が独身者となる「超ソロ社会」の到来を予言し、家族をはじめとするコミュニティのあり方を検討した近著『「居場所がない」人たち』が話題の荒川氏が、独自の調査結果をもとに解説する。

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「あなたは今、しあわせですか?」──そう問われた場合、なんと答えるだろうか。

 しあわせとは、その感じ方も基準も人それぞれで、あくまで主観的なものである。よって、標準的・絶対的な指標としての幸福度は存在しない。
存在しないのだが、マクロ的な調査をするとおおまかな傾向があることも確かである。

 私は、独身研究の一環として、未婚者と既婚者とでの幸福度の違い、さらには男女、年代別での幸福度の違いについて2014年から継続調査してきた。
その結果から申し上げれば、未婚者より既婚者の方が幸福度は高く、男性より女性の方が幸福度は高く、40-50代の中年層より若者の方が幸福度が高いという傾向は常に一定であった。

 2020年一都三県の未既婚男女を対象とした調査のグラフが次の図9(57ページ)である。
幸福度については5段階評価とし、「とてもしあわせ」「まあまあしあわせ」を幸福、「やや不幸」「とても不幸」を不幸と分けて、「どちらともいえない」は別とした。

 男女ともに、既婚者に比べて未婚者の幸福度は低く、特に男性の40-50代では既婚者の半分以下しか未婚者は幸福を感じていないということになる。
同時に、40-50代未婚男性の不幸度の高さも突出しており、40代で36%、50代で34%が不幸である。40代以上の未婚男性は、幸福を感じる人数より不幸を感じる人数の方が上回ってもいる。

 男性ほどではないにしろ、女性でも同様で、40代未婚女性の24%、50代未婚女性の21%が不幸だと感じている。既婚男女の不幸度が10%台にとどまっているのとは大きな違いがある。

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