中国共産党機関紙・人民日報は4日付の1面で、 習近平国家主席が、沖縄県尖閣諸島に関連して琉球(沖縄)と中国の交流に触れた発言を伝えた。香港紙・星島日報は8日、習氏の就任後に初めて公開された琉球に関する発言だとしている。日本が台湾問題への関与を強める中、中国政府の揺さぶりとの見方も出ている。

 人民日報によると、習氏は今月に史料館を視察した際、明代の釣魚島(尖閣諸島の中国名)について説明を受け、「(福建省の)福州で勤務していた際、琉球との交流の根源が深いと知った」と述べたという。

 同紙は、日本政府の尖閣国有化を機に対日強硬論が強まっていた2013年5月、沖縄の帰属は「未解決」と主張し、中国に領有権があると示唆する研究者の論文を掲載した。

 今回の記事は沖縄の帰属に触れていないが、「中国が内政だとする台湾に日本が関与を強めれば、再び沖縄の帰属問題を持ち出すこともありうるとの警告だ」(中国メディア関係者)との指摘がある。中国外務省の 汪文斌ワンウェンビン 副報道局長は9日の定例記者会見で「習主席の関連の活動はすでに公表している」と述べるにとどめた。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20230609-OYT1T50214/