ぼく「──帰んな。俺はこれ以上催眠おじさんを育成する気はねぇよ」

[0001 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 11:43:39.803 ID:Ih5kGuMkp]

ぼく「催眠おじさんなんてもんはな、結局誰も幸せにしねぇんだ」

[0002 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 11:43:55.123 ID:LvMjwOVLr]

ワロタ

[0003 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 11:44:13.590 ID:nGuRvP830]

Master Of Puppets

[0004 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 11:45:21.769 ID:Hd30IBfZd]

あなたの催眠はもはや「支配」だ

[0005 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 11:46:17.919 ID:Ih5kGuMkp]

ぼく「そりゃあ一時は催眠おじさんを育成することに生きがいを感じてたさ」

ぼく「冴えないおじさんが血の滲む努力を乗り越えて催眠を習得して、こんなかわいいJKと付き合えました、ありがとうございましたなんて報告しに来てくれたりしてな」

ぼく「こんな俺の術が少しでも少子高齢化の歯止めになれれば、なんて思ってたんだよ。あの頃は──」

[0006 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 11:49:40.843 ID:Ih5kGuMkp]

ぼく「──そいつはことさら冴えないおじさんだった。仕事でもうだつが上がらず、40代も後半だってのに平社員。チビデブハゲの三重苦で喋り方も吃ってて……まあ、典型的な『弱者男性』って奴でな」

ぼく「良い歳のオッサンが泣きながら「私もモテたいです。催眠を覚えて素敵な女の子と恋愛がしたいです」って言ってよ」

ぼく「その熱意に打たれて、俺はそいつに催眠を教えたんだ」

[0007 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 11:52:17.124 ID:Ih5kGuMkp]

ぼく「覚えは悪かったし、催眠の力もイマイチだった。普通なら慣れれば永続的に催眠にかける事も出来るんだが、そいつがかけられるのはせいぜい長くて一週間、その程度でな」

ぼく「まあこれは個人差があるから仕方ない。そう思ってそいつを卒業扱いにしてから……2、3ヶ月くらい経った頃か」

[0008 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 11:55:21.499 ID:Ih5kGuMkp]

ぼく「『ありがとうございました！お陰で素敵な彼女と結婚出来ました！』なんてメールと送られてきてな。そいつにゃ不釣り合いなとんでもねぇ美人と結婚式を挙げてる写真が貼付されてたんだよ」

ぼく「おお、そりゃあ結構なんて思ってその場はそれでしまいになったんだが──次にそいつを見かけたのはTVのニュースだったんだ」

[0009 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 11:59:16.596 ID:Ih5kGuMkp]

ぼく「◯◯市の民家で無理心中か？なんて見出しのニュースだったよ。そいつの事なんて完全に忘れてた俺は凍り付いたさ。一体何があったんだと」

ぼく「……で、色々と調べたんだが、そこ美人と結婚して、娘が生まれて、順調にやってたみたいだったんだが……ある日そいつが忙しくて、奥さんの催眠上書きするの忘れちまったんだな」

[0010 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 12:03:13.896 ID:Ih5kGuMkp]

ぼく「そいつが家に居ない時に奥さんの催眠が切れちまって半狂乱になったんだとよ」

ぼく「そりゃあそうだ、気が付いたら見知らぬキモいオッサンと結婚してて、4歳になる娘が居て。そんなん耐えられるワケねぇよな」

ぼく「──仕事から帰ったそいつが見た光景は、泣き喚く娘と包丁で自分の首筋掻っ切って血溜まりに倒れた奥さんの姿だったそうだ」

ぼく「ご丁寧に遺書が残されてて、「私の人生を返して」とだけ書いてあったと」

[0011 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 12:04:42.659 ID:scaV2570M]

つまらんのに長い

[0012 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 12:06:27.303 ID:Ih5kGuMkp]

ぼく「追っ付けで自殺を図ったそいつと娘さんはどうにか近隣からの通報で生き延びたんだけどな。意識が戻って、面会に行った時にそいつから一部始終を聞かされた時に俺は心底後悔したんだよ」

ぼく「──俺のやってた事は間違っていた、催眠おじさんを世に増やすなんてのは、不幸の種を生み出す事にしかならねぇんだ、ってな」

[0013 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2023/05/20(土) 12:08:35.661 ID:Ih5kGuMkp]

ぼく「……そう言うわけだ。わざわざ尋ねてもらって悪いが諦めてくれ」

ぼく「催眠おじさんになんてなるもんじゃねぇ。大丈夫。あんたならしっかり頑張ればちゃんと素敵な女性と巡り会えるさ」

ぼく「さ、帰んな」