三題噺を書きたい
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ここ一ヶ月で小説書き始めた
適当に短編で三題噺書こうと思うのでお題をください
お題足りなかったら安価下するか足りない分再指定するかは気分で決めます
>>3 お題①
>>4 お題②
>>5 お題③ 俺以外が立ててまともな安価もついてて珍しいな
まあ昼間のが真面目な人間が集まるのか ありがとう、ある程度貯まったら投下してまた書いてにするね 小学生の頃、放課後に友達と放課後に遊ぶと言えば大抵駄菓子屋に行くことが多かった。いつものおばあちゃんが優しく迎え入れてくれて、少ない小遣いを握りしめて駄菓子を買い、近所の神社や学校の校庭へ自転車を走らせ遊ぶ。遊んでる最中に勝負の掛け金としてそれぞれ買ってきたお菓子を賭けてみたり、あるいは普通に分け合ったり。駄菓子や自体がコミュニケーションの場であり、そこで買った駄菓子もコミュニケーションのツールだった。
雪が融けてから降るまでの季節は大体週に三、四回くらいはそうやって遊んでいた気がする。遊ぶ内容は鬼ごっこや野球、サッカーなどその時によって違ったが、駄菓子屋に寄ってからどこかに遊びに行くと言うのはお決まりの流れだった。
ただし、周りの皆んなが遊んでいる中、俺だけが遊びに行けない日が月に何回かあった。
俺の通っていた小学校は一学年一クラス集めるのが精一杯な田舎の学校であり、俺のクラスには不登校児が一人いた。不登校と言っても虐めがあったわけではない。小学校三年生の時に転校して来た彼女は身体が弱く、都会での生活が辛いと両親が地元に家を建てる形で引っ越して来た。引っ越してきていくらか体調はマシになったらしいがそれでも学校に毎日通うことは叶わず、体調が良い日に偶に登校してくるくらいだった。
彼女が登校出来ないことによりプリントやら何やらが溜まっていく。それを誰かが届けないといけない。俺が友達と遊べない日は、偶々彼女の家の一番近くに済む俺が、担任の教師に溜まったプリントやらを彼女の家まで届けに行くように頼まれた日なのであった。 こう言うと俺が彼女の面倒を押し付けられて面倒と思っているように聞こえるかもしれないが、実際はそんなことは無かった。
確かに友達と遊べないのは惜しいが、彼女の家に届け物に行くと美人で優しそうなお母さんが家に上げてくれて、高そうなジュースとケーキなんかを出してくれたりするからだ。ケーキなんて誕生日とクリスマスにしか食べないような家に育った俺としては、来客にケーキを出すなんて言うことがまず信じられなかった。うちに親戚のおじさんが来たとしても出るのは大体は煎餅、良くて饅頭くらいのものだったからだ。
最初のうちは客間でケーキをご馳走になりながらお母さんに学校での話をするくらいだったのだが、ある時から彼女が客間に顔を出すようになった。
顔を出すようになってからいつもありがとうとか細い声で言う程度だったが、次第に一緒に客間で話をするようになった。学校でこんなことがあったとか、放課後何をして遊んだとか、友達の間ではこんなアニメが流行っているとか、そんな話を彼女は楽しそうに聞いていた。
ある日いつものようにプリントを届けに行った時、彼女が顔を見せない日があった。お母さんが言うには今日は体調が悪く部屋で休んでいるとのことだった。いつものようにご馳走になった後、帰り際にお大事にと一声かけて行っても良いかと聞いたところ、お母さんが彼女の部屋まで通してくれた。
ノックをすると辛そうな声でどうぞと帰ってくる。彼女の病気に俺が何を出来るわけでも無いが、また話そうな、お大事にと告げると彼女は嬉しそうに微笑んだのであった。
その次の届け物の日から、客間ではなく彼女の部屋に通されるようになった。今までは客間でお母さんも同席していたため、大人の前では口にするのは憚られるような馬鹿な話もするようになった。きっとこんな上品な家に住む子には無縁のことだろうと思ったが、それでも彼女は楽しそうに話を聞いているのであった。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています