ぼくがまだ幼い頃 母親が死んだ 病気で亡くなったんだ
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父親はものすごく悲しんだ
そして毎日不眠症に悩まされていた
ベッドで隣にはいつも妻がいた
今は寂しさでまともに寝られなくなってしまった
ある日父親は久しぶりによく寝たと朝からご機嫌だった
布団や毛布を丸めて掛け布団をかける
まるで隣でまだ妻が寝てるかのような形にしたらその日からぐっすり寝られるようになったんだ
ぼくもその時はすごく安心した ある日父親はその母親の形をしたものに声をかけ始めた
気持ちはすごく理解できた
毎日のように父親は話しかけていた 父親「妻に毎日寂しくて話しかけていた そしたらある日返信が返ってきたんだ 妻の形をしてたものから返事が返ってきた 俺は嬉しくて毎日話しかけたんだ」 父親「日を追うごとに妻からの会話が増えた 妄想だとわかっているが俺はどんどんその妄想に飲み込まれていった 」
父親「そして今日 霊媒師のあなたを呼んだのは本当に妄想なのか確かめてほしかったのです 紅茶しかないですがどうぞ」
霊媒師「どうも…」
父親「では妻を呼んできます」
ガラッ
母親「こんにちは」
父親「あなたに妻が見えますか?ここに実際にいるでしょ!?私の強い想いが伝わって妻が蘇ったのです! 私の知らない歌を口ずさんだり、私の知らない服を買ってきたり、これは妄想ではありえません!」
霊媒師「何も見えませんね あなたの妄想です」 父親「それは嘘だ!」
霊媒師「あなたの奥さんも見えませんし、声も聞こえません」
父親「ではなぜ紅茶を飲まないのですか?」
霊媒師「!!」
父親「あなたは私が紅茶を差し出した時に中に髪の毛が入っていることに気づきましたね?」
霊媒師「…」
父親「それ妻の髪の毛なんですよ」
霊媒師「いいえ 私は見えません」 妻が持った包丁の先端を霊媒師の目に近づける
父親「まあ見えないと言うなら仕方ない これもきっと無意味な行動なんでしょう」
霊媒師「…」
妻「…」
霊媒師「やめて!」ドンッ 妻を押し飛ばす
妻「うっ!」ドンッ
父親「大丈夫か!? 霊媒師さんありがとうございます ありがとうございます…良かった…ぼく以外の人にも見えるんだ…ずっとそれが知りたかった…全部全部妄想なんかじゃない!」 まだ5歳のぼくは父親が異常だとはわからなかった
父親がそれで幸せならいいんだと思っていた
父親は毎日のように家に誰か呼び、妻の存在を証明している
一人で…全て妄想の中で… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています