杉:僕は「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」が大好きで。
川原:圧倒的に好きだよね。最近「ストロベリー・フィールズ〜」と「アイ・アム・ザ・ウォルラス」にハマってるんだよ、それしか聴いてないくらい。どうやってこんな曲を作ったんだろう?って。
杉:ポールってほとんど完成形が見える形で曲を持って来ると思うんです、放っておいたらポールが1人でやっちゃうくらい。一方ジョンは未完成で、これが良くなるか悪くなるか分からない感じで持って来る。だからこそビートルズ、スタッフ皆んなが全力で作るから最終的にビートルズの代表曲はジョンの曲になるんじゃないかな、と思うんです。
川原:本当の名曲ってそういう気がする。全員が頑張ってるね、「アイ・アム・ザ・ウォルラス」もそうなんだけど、なんだかナイアガラのスタジオを思い出しちゃった。いかにも完成したような感じだけど未完成なんだよ、大瀧さんの曲も。それをなんとか完成させないと、とスタッフもミュージシャンも含め自分の全力を出し切ってああいう集中したセッションができたんだと思う。そういう意味では優秀なプロデューサーだよ、皆んなに全力を出させる(笑)。陽水さんもそういうところがある、「いいですね〜」って。褒められると皆んな全力を出しちゃう(笑)。それをぱっとまとめ上げるのがプロデューサーの手腕。ジョージ・マーティンなんかもストリングスのスコアを滅茶苦茶しっかり書き込んで、素晴らしいよね。あの2曲。
杉:「ストロベリー・フィールズ〜」と「アイ・アム・ザ・ウォルラス」のストリングス。