知事戦のさなかに不倫スキャンダルが暴露され集中砲火を浴びた神奈川県の黒岩祐治知事。しかしフタを開けてみれば「断トツ黒岩票」の圧勝状態。2011年の初当選以来12年にも及ぶ在任期間は、あの「第二次安倍政権」より長い。

そん「な無敵状態」が続く黒岩知事だが、決してカリスマ性があるわけではない。橋下徹元大阪知事や故石原慎太郎元東京都知事・翁長雄志沖縄県知事のように、独自の政策実現のためには国と喧嘩をしてでも手腕を発揮するようなタイプの政治家でもない。そもそも黒岩知事に政策らしきものは見当たらない。初出馬当時こそ「脱原発ブーム」に乗じて200万戸ものソーラーパネルの普及を訴えたものの当選後にあっさり撤回してしまったし、大阪都構想に対抗してか「神奈川独立」を打ち出したものの住民投票などを具体的に着手することもなくトーンダウンして、それから10年経ってもスッカラカンのままである。この長い任期の中で記憶にのこるやったことといえば県庁舎で「恋チュン」を踊っていたことしか浮かばないくらい。不倫スキャンダル抜きに、これほどひどい体たらくのスッカラカン知事なのに勝ち続けている体たらくには驚いてしまうばかりだ。

なぜこうなってしまうのか。それは神奈川県特有の事情がある。