低脳貧乏ニートが自転車旅に失敗した話
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俺は貧乏ニート、まだ仕事はない。家に居場所もない
そうだ遠くへ行こう、そう思い短期バイトを始めた。一ヵ月でクビになった
とりあえず15万ほどあるので旅に出る事にした 出発当日。着替え、食料を鞄に詰め込めない。入り切らない。前日に試さないのが低脳ニート
仕方なく荷物を減らす。入り切らない。衣類圧縮袋をドン・キホーテに買いに行く
ホームレスがDQNにいじめられているのを横目に家に帰る。世知辛い 「あのさぁ、俺はただ聞いてるだけなわけ。なんで人のごみ漁ったりするのかなあって。
本当に純粋に気になってんのw ねえ、なんで?普通そんな事しないじゃんwねえ教えてよ」
いじめるDQNも、いじめられるホームレスも、助けない俺も、全員が社会のゴミ。この世は地獄なんだなと思う 鞄と寝袋を荷台に縛り、ようやく出発する。すぐに荷物がずり落ちる。信号待ちで荷物を落とす
なかなか拾えず、隣のOLに助けを求めるが無視される。どうにか拾う。空が青くて綺麗
しばらく坂を上ると海が見えた。とても綺麗だった。既に疲れてた。バスの停留所のベンチに座りしばらく休む しばらく坂が続く。街を離れ、景色は変わり、家が途切れる
旅の期待と不安に興奮が止まない。荷台の軋みも止まらない。荷台の軸が折れる。タイヤに荷台が擦れる
山の中、しばらく立ち尽くす。自転車を押して引き返す 雨が降り始める。停留所に逃げ込む。途方に暮れる
荷物を旅先に送る事を思い付き、不要な荷物を分ける。近所のコンビニに走る
軽くなった荷物を担ぎ、荷台を修理できる場所を探して進む すぐに自転車が見つかり、旅の幸運に喜ぶ。定休日、そして豪雨に打たれる
遠くの自転車屋に電話、迎えの軽トラに乗りどうにか助かる
修理された自転車でまた漕ぎ始める。まだいけるはず。多分 普段、軽い運動すらしてない人が急激に始めたって形は不味い 峠に入り、歩道がなくなる。長距離トラックが横を通り過ぎる。多分俺はここで死ぬ
なかなか死なずに峠を越える。田舎道を漕ぎ続ける。漕ぎ続ける。漕ぎ続ける
田舎しかねえ 夕暮れ時になる。まだ田舎である。空き家がある。ここで寝るか考える。まだ先にいける気がする
熊出没注意を横目に漕ぐ。漕ぎ続ける。そして夜になる。目の前は峠道。ここを越えれば休む場所もある
少し進む。電灯がない。トラックが横切る。死ぬ。死ぬかもじゃない、進めば死ぬ。100で死ぬ 峠手前に引き返す。ベンチのある便所に逃げ込み、晩飯の準備
ニートは健康志向だった。野菜が食べたかった。鞄には巨大なキャベツ
「重いし邪魔なんだよ馬鹿かよ!!!」
キャベツは山に捨てた 自転車はママチャリなのだろうか
だとしたら無謀で笑う 晩飯を食べてベンチで眠れない。全然眠れない。数十分刻みで目が覚める
トイレ前に車が止まる。老夫婦に奇妙な視線を向けられる。怪しい者じゃないんです、信じてください
不法投棄したキャベツがバレないか気になる。朝になり、峠に向かう。しんどい 自転車を漕ぎ続ける。海沿いに出る。廃屋みたいな家がぽつぽつ見える
いきなりサイレンが響き渡る。津波かと思い、慌てて海を見る。変化はない
多分正午のお報せか何か。もう何が危機で何が普通なのか分からない。疲れてる 漕いで漕いで漕いだ。それ以外もう書くことがない。田舎を自転車で延々漕いだ
汗まみれだし臭いし水もないし途中からはカロリー不足で食パンかじってた
自転車旅ってこういうものだろうか。多分違う。絶対に違う。観光とか出会いとか素敵な事が何もない 膝が伸ばせないネカフェで眠ったり、田舎のDQNがやってる民宿もどきに泊まったり、
道の駅でトラックに囲まれて眠ったり、駅の待合所で眠ったり、まあなんとか生きてた
途中で気付いた。これ自転車旅じゃない、旅する浮浪者だわ ドンキ前にいたホームレスは未来の俺なんじゃないかと想像した
だって俺これしたからってニートだし。ニートのままだし、何にもならない
ていうか実際何にもならなかった。劇的成長とかしなかった。なんだこれ 朝、グーグルマップを見る。今日走れる距離を考える。休めそうな場所をマークする。漕ぎ続ける
夜、明日のルーツを考える。どう考えても山を抜けられない。ほぼ深夜に出発を決める
深夜、夜の山道を走る。何も見えない。ライトしかない。気が狂う。怖い。死ぬ。怖い。早く朝になれ。怖い 原発付近が見たくて福島に入った。国道が自転車通り抜け禁止だった
「え、他の道は?」「100kmくらい山を通って回り道すれば抜けられるよ」「他には?」「ないね」
僕に死ねと? 次の日の日没、まだ山にいた。日が沈む中、山を猛スピードで下る。今暗くなったら死ぬ
8時を回り、ようやく街中に辿り着く。浜辺に野宿する予定だったが、もう浜辺まで行く気力がない
眠れる場所を探すが見当たらず、不在の交番前に座り込む。そのまま意識が飛ぶ 警官5人に囲まれて目を覚ます。事情を説明すると公園に案内された。またベンチで野宿
凍えながら朝になり、コンビニで東南アジア人の店員と土方数人とすれ違い、なんかもうこの街に住んで終わりにしたくなる
こんな事を始めたのを後悔しながらまた自転車を漕ぐ 交番はセーブポイントには向かないんだよな
警官がいなくても電話が鳴ったりうるさい せっかくなら動画取って記録していけばyoutubeのネタにでもなったのにな つまらないので省くと、この先は惰性で自転車漕いでたら終わってた
山さえなければ自転車は快適。山は漕いでも漕いでも進まないし、そのまま夜になったら誇張抜きに死ぬ
そうして街に着いて俺の旅は終わりましたとさ 感想は「俺のやった事は旅じゃなくただの拷問、島流し的な何か」
金ない時間ない準備雑でアホな事すればそりゃそうなる 可哀想
これから先こいつはずっとこんなふうに何も成し遂げられずに死んでいくんだな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています