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ネットに激震を巻き起こした「星野君の二塁打」、ついに道徳の教科書から消える。
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0001平木奈央太【嫌儲から良質なスレッドを直輸入で皆様にお届け致します!】 ◆6H9iQaGy2w8m 転載ダメ
垢版 |
2023/04/07(金) 07:56:39.860ID:zrFRyPS4d
「だけど、先生、二壘打をぶつぱなしてR中学をすくつたんですから――。」
 山本が口を出した。

「いや、山本君のは結果論というやつだ。いくら結果がよかつたといつて、統制をやぶつたという事実にかわりはないのだ。
――いいか、諸君、野球は、ただ勝てばいいのじやないぜ。特に學生野球は、からだをつくると同時に精神をきたえるためのものだ。
團体競技として共同の精神を養成するためのものだ。自分勝手なわがままは許されない。
ギセイの精神のわからない人間は、社會へ出たつて、社會を益することはできはしないぞ。
それに実際問題としても、あのとき星野君の打つた球のおかげで、ダブル・プレイでも食つたとしたら、どうなつたと思う。
ワンヒット・ワンランのチャンスもないのに、あの場あいヒッティングに出るなんて、危險きわまるプレイといわなければなるまい。」

今井先生の口調が熱してきて、そのほほが赤くなるにつれて、星野三郎の顏からは血の氣がひいていつた。
選手たちは、みんな、あたまを深くたれてしまつた。

「星野君はいい投手だ。おしいと思う。しかし、だからといつて、ぼくはティームの統制をみだしたものを
そのままにしておくわけにはいかない。罪にたいしては制裁を加えなければならない。――」
そこまできくと、思わず一同は顏をあげて先生を見た。星野だけが、じつとうつむいたまま、石のように動かなかつた。

「ぼくは、星野君の甲子園出場を禁じたいと思う。當分、謹愼(きんしん)していてもらいたいのだ。
そのために、ぼくらは甲子園の第一予戰で負けることになるかも知れない。
しかし、それはやむを得ないこととあきらめてもらうより仕方がないのだ。」
 星野はじつと涙をこらえていた。いちいち先生のいうとおりだ。

かれは、これまで、自分がいい氣になつて、世の中に甘えていたことを、しみじみ感じた。

「星野君、異存(いぞん)はあるまいな。」
よびかけられるといつしよに、星野は涙で光つた目をあげて強く答えた。
「異存ありません。」
今井先生を中心とした若い中学生の半円は、そのまま、しばらくくずれずにいた。
はげしい太陽が、ひと氣のないグラウンドをまつしろに光らしている。
0002以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
垢版 |
2023/04/07(金) 07:57:17.046ID:UXsNbC/cM
>>1
長い
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