イタリアの右派政府は29日、培養肉などの合成食品を禁止する法案を支持すると発表した。イタリアの食文化と健康を守るためとしている。
法案が可決された場合、違反者は最大6万ユーロ(約860万円)の罰金を科される可能性がある。

刷新された農業省トップのフランチェスコ・ロロブリジーダ氏は、イタリアの食の伝統の重要性を強調した。

農業ロビー団体はこの動きを歓迎している。一方、培養肉が炭素排出からの環境保護や食の安全性につながるとしている動物愛護団体には打撃となった。

コルディレッティをはじめとするイタリアの農業ロビー団体はこの数カ月、「自然食品を合成食品から守る」ための署名を集めていた。集まった50万筆の中には、ジョルジャ・メローニ首相の署名も含まれている。

政府はこの法案と併せ、コオロギやイナゴなどから作られた粉をピザやパスタに使うことを禁じる、さまざまな命令も策定している。

閣僚らは、こうした法案と命令を支持する理由として、評価の高いイタリアの地中海食を挙げている。

首相と同じ右翼政党「イタリアの同胞」に所属するロロブリジーダ農相は、「合成食品では品質やウェルビーイング(人が健康で幸せな、良好な状態にあること)、そして我々の伝統と結びついているイタリアの料理・ワイン文化と伝統の保護を保障できない」と語った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/114913ee883bf367f4f6b42709307e9eba0b29ff