韓国人元徴用工の訴訟をめぐって、在日韓国人の会社経営者らが17日、韓国政府傘下の財団への寄付を呼びかける記者会見を東京都内で開いた。韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)政権が6日に発表した「解決策」で、日本企業が韓国の確定判決で命じられた賠償分を財団が肩代わりするとの方針を歓迎し、寄付を日韓関係改善の「呼び水にしたい」という。

 記者会見したのは在日韓国人2世の会社経営者、金徳吉(キムドギル)さんや、韓国民団の呂健二(ヨゴニ)団長ら。金さんや日本に住むソウル大学出身者らの同窓会が17日、元徴用工らを支援する「日帝強制動員被害者支援財団」に寄付したといい、今後は広く寄付を呼びかけるという。

 金さんは「私たちの親の世代は、日本でとても苦労した。だから日本の企業の金でないと受け取らないという被害者の気持ちは、よく理解できる。政治家や古い世代には葛藤があるが、これだけ近い日韓の不自然な状況は、若い世代のため解消しなければいけない」と強調した。呂団長は「日本社会に言いたいことは山ほどある。だが周辺諸国の安全保障の面から考えても、いまは譲り合うときだ」と訴えた。(編集委員・北野隆一)

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