動画投稿サイトで複数の著名人らを脅迫、中傷したとして、警視庁は16日、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)や威力業務妨害などの疑いで、ガーシー(本名・東谷義和)前参院議員(51)の逮捕状を請求した。捜査関係者への取材で分かった。
 海外に滞在する東谷前議員が任意の出頭要請に応じず、告訴した著名人らへの脅迫も続いていることから逮捕の必要があると判断した。同庁は今後、警察庁を通じ、外務省や国際刑事警察機構(ICPO)に旅券返納命令と国際手配を要請する。
 捜査関係者によると、東谷前議員は昨年2~8月ごろ、ユーチューブに投稿した動画で、著名人ら3人とその親族を脅迫した疑いがある。うち1人については、事業を妨害し、撤退するよう要求した疑いも持たれている。
 著名人ら3人は、投稿された動画が脅迫に当たるとして、昨年末までに警視庁に告訴状を提出。同庁は弁護士を通じ、複数回にわたり東谷前議員に任意聴取を要請するとともに、今年1月には関係先を家宅捜索していた。
 東谷前議員はアラブ首長国連邦(UAE)のドバイを拠点に、動画投稿サイトで芸能界などの裏話を披露する「暴露系ユーチューバー」として知られる。
 昨年7月の参院選で初当選したが、「不当な拘束を受ける」などと主張し、帰国を拒否。国会の出席要請にも応じなかったため、今月15日に「除名」の懲罰を受け、議員資格を失った。