2022年5月、交通トラブルから高齢の男性を殴ったり踏みつけたりして死亡させたとされる男の裁判員裁判。山口地裁は、傷害致死の罪に問われていた、萩市椿東の男(38)に、懲役5年の判決を言い渡しました。小松本卓裁判長は「あなた自身の行為で1人の命を奪ったということは分かりますね。その重みをよく考えて今後も生活して下さい」と語りかけると、男は「はい」と答えました。

判決によりますと男は2022年5月5日、萩市の路上で男性(当時73)の胸ぐらをつかんで転倒させ、胸や腹を殴ったり踏みつけたりして大けがを負わせ、およそ1か月後に死亡させました。

15日に山口地裁で開かれた判決公判で、小松本裁判長は「男性が胸を2回押したことは、身を守る意味もあり、男性の落ち度とは言えない」と指摘。「暴行は相当に強く、危険性の高いものだった」として、懲役5年(求刑・懲役8年)を言い渡しました。男性がクラクションを鳴らしたことについては、「男性が注意喚起の方法としてクラクションを鳴らしたことは、相当性をやや欠くものとして評価できるが、男もこれに反応し車を降りてまで怒鳴りつけていて、量刑に大きく影響するとは言えない」としました。

男の弁護士によると、控訴しない方針だということです。

14日の公判で、男性の妻が法廷に立ち「夫は死ぬほどの暴行を受けるようなことをしたのでしょうか」と涙声で問いかけ、厳罰を求めていました。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tys/380069