勇者「俺と付き合ってください!」魔法使い「それ今じゃないと駄目っすか!?」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
勇者「できれば伝えられるうちに伝えておこうと思ったんだ」
魔法使い「でも今じゃなくてもいっすよね!?」
勇者「俺のハートが言ったんだ。今だって」
魔法使い「マインドの方はなんつってました!?」
勇者「魔法使いの集中が乱れるからやめておけって」
魔法使い「ですよ! あたりまえでしょ! 今魔王の必殺魔法しのいでるとこなんすから! あたしが!」 魔法使い「う、が、あ、あ!」
勇者「さて」
魔法使い「後ろで何してるんすか!」
勇者「今俺にできることはないしその時間を使って俺の思いをしたためておいた手紙を読もうかと」
魔法使い「は!?」
勇者「『魔法使いへ。長いこと一緒に旅をしてきたけれど――』」
魔法使い「働けバカタレー!」 最後が説明口調すぎてダメ
今後の期待を込めて星2つ 魔法使い「何考えてんだ……マジで何考えてんだこの人は……!」
勇者「君のこと」
魔法使い「うっさい!」
勇者「あと君との将来」
魔法使い「もう黙れ! できれば死ね!」
勇者「ムリだ。HPと防御力の高さにかけてはもはや俺の右に出る者はいない」
魔法使い「前に出て! 一歩だけでもいいっすから!」
勇者「やだ。即死魔法耐性はない」 魔法使い「し、しのぎきった……」
勇者「よし」
魔法使い「勇者さま、早く……」
勇者「わかってる。だがその前に返事を聞かせてくれ」
魔法使い「は?」
勇者「俺の告白への返事だ」
魔法使い「……」
勇者「早く」
魔法使い「い、いや、えっと」 魔法使い「んなことやってるからあああ!」
勇者「二撃目が来たな」
魔法使い「あれ重いんすよー! 代わってくださいよー!」
勇者「やだ。もう一度言うが魔法耐性は極めて低い」
魔法使い「もうやだあああ!」
勇者「魔法使い」
魔法使い「……なんすか?」
勇者「輝いてるぞ」
魔法使い「意味わかんないっす!」 魔法使い「なんでっすか……なんで後ろにも敵がいるんすか……」
勇者「いないぞ」
魔法使い「あんたっすよ! 自覚持って!」
勇者「俺は永遠のパートナーだ。裏切りはしない」
魔法使い「……ちょっとぐっと来たけど今現在なんの説得力もない」
勇者「とか言ってるうちに二撃目がやんだな」
魔法使い「あれ?」
勇者「いまだ。仕掛けるぞ」 勇者「ムリだった」
魔法使い「あああああ! もうぅぅうぅ!」
勇者「三連で即死魔法とはな」
魔法使い「もう諦めたい」
勇者「何を言うか」
魔法使い「もう無理っす! わたしの味方がどこにもいないっす!」
勇者「いるぞ」
魔法使い「自覚持ってって!」 勇者「仕方ない。奥の手を出すか」
魔法使い「あるの!?」
勇者「魔法使い」
魔法使い「な、なんすか!?」
勇者「結婚してください」
魔法使い「意味わかんないし! なんか重さのグレード上がってるし!」
勇者「この婚約指輪をどうか」
魔法使い「見えないけどぶん殴りたい!」 勇者「……受け取ってもらえないのか?」
魔法使い「ったりめえだこんちくしょー!」
勇者「そうか……魔力激増装備なのに」
魔法使い「早く言え!」
勇者「つけてくれるのか?」
魔法使い「一時的に! その後売り飛ばす!」
勇者「やったー!」
魔法使い「いいんすか! まあいいけど!」 魔法使い「倒した……!」
勇者「苦戦したな」
魔法使い「うわムカつく」
勇者「だがそれももう美しい思い出だ」
魔法使い「一番言っちゃいけない人が言う」
勇者「さあ帰ろう俺たちの愛の巣へ」
魔法使い「いやっす。この指輪もさっさと外し……って」
勇者「……」
魔法使い「……外れない」
勇者「ふふふ」 魔法使い「呪いの装備じゃないっすかー!」
勇者「ご愁傷さまだ」
魔法使い「外す方法は!?」
勇者「唯一俺と添い遂げることで外すことができる」
魔法使い「いっそ殺せ! いや殺す!」
勇者「まあ待てまあ待て。あれを見ろ」
魔法使い「……?」 魔法使い「あれは」
勇者「魔王の第二形態だな」
魔法使い「ええー……」
勇者「見立てでは第三形態もあるぞ」
魔法使い「えええー……」
勇者「さてさっさと片付けて帰るか」
魔法使い「できるんすか?」
勇者「俺と付き合ってくれるなら」
魔法使い「もうやだー!」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています