⭐︎対流圏
地表から高度約10kmまでを対流圏といい,100m 高くなるごとに,平均約0.65℃の割合で気温が下がる。
このような気温の変化率を気温減率という。
対流圏では水蒸気が多く, 雲ができたり雨が降ったりする天気の変化がおこっている。
対流圏の上端を対流圏界面といい,その高度は,場所や季節によって異なる。
⭐︎成層圏
高度約10~50kmまでを成層圏という。 成層圏の気温 は、約20kmまでは一定で, それよりも上部では,徐々 に上昇していく。 成層圏の上端は,成層圏界面とよばれる。 成層圏にはオゾンが多く存在する。 このオゾンの多い層 をオゾン層といい, 特に高度25km付近で多く なっている。
成層圏の気温が上空ほど高いのは、オゾンが紫外線を吸収し,そのエネルギーを熱に変換するためである。
オゾン O3は,酸素分子O2に紫外線が作用してでき るため,紫外線の強い低緯度地域で多く生成する。しかし, 観測されるオゾンの量は,低緯度地域より も高緯度地域の方が多い。
これは,低緯度地域の成層圏 で生成したオゾンが, 大気の循環によって高緯度地域に 運搬されるためである。
⭐︎中間圏
高度約50~80kmまでを中間圏という。
中間圏の気温は、対流圏と同じように, 高度が高くなるにつれて下がっていく。
夏季の中間圏と熱圏の境界 (中間圏界面) 付近では,気温が-100℃以下になり, 夜光雲とよばれる特殊な薄い 雲が見られることがある (図5)。 また, 流星は,熱圏から発光し始め, 中間圏で消滅することが多い。
⭐︎熱圏
高度約80~500kmまでを熱圏という。
熱圏では,太陽からの紫外線 やX線,高速の電子などが吸収されるため、高度が高くなるほど気温は上 昇する。
極地方では,大気上層に色彩豊かな発光現象が観測されることがあ る。
この現象をオーロラ (極光) という。
オーロラは,高度100~ 200km付近で,太陽から放出された電子などの粒子と,大気の分子とが 衝突し、発光したものである。