極道の一人娘「案内して頂戴」筋もんワイ「へ、へい」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
お嬢「どうかしら、ワイ。試着してみたんだけど、似合うかしら?」
ワイ「とても麗しうございます」
お嬢「どの辺りが?」
ワイ「えっと…ガラとか可愛らしくて、はい、なんとなくお嬢の雰囲気に似合っているかと」
お嬢「…野暮ったい答えね。もう少しあなたもファッションに気を遣っては?」
お嬢「パパに言えば、あなたのスーツ代くらいは出してくれるわよ」
ワイ「組長に金の無心なんかできませんよ…」 ワイ「お嬢、あんまり男のワイが連れ回すのもようありません」
ワイ「組長もいい顔はしとらんのですわ」
お嬢「パパのことは関係ないでしょ!」
ワイ「す、すんませんお嬢…」
お嬢「本当にあなた情けないわね…大丈夫? 組でやっていけてるの?」
ワイ「ご心配いたみいります。最近の極道はシノギの確保にワイみたいなネットオタクも必要なんですわ」
ワイ「余所のもんと会うときに舐められんように最低限鍛えてますけど、荒事に駆り出されることはありませんので」
お嬢「ふぅん…そうなんだ」 ワイ「ただワイにファッションのセンスはありませんし、お嬢もワイとおっても楽しゅうないでしょ?」
ワイ「同世代の友達とか…」
お嬢「距離置かれるか、諂われるかのどっちかなのよ」ハァ
ワイ「組の他のもん呼びましょか?」
お嬢「血生臭い暴力的な男ばっかりで嫌なのよ。パパに取り入ることしか考えてない奴ばっかりよ」
ワイ「は、はあ…」
お嬢「貴方、私といるのが嫌なの?」ギロ
ワイ「そんなことありませんけどや…」
お嬢「ならいいじゃないの」
ワイ(…しかしお嬢の相手にワイが適任やとはとても思われへんのですわ)
ワイ「……せや!」 ―翌週―
車「ブゥウウウウン」
お嬢「…あなたペーパードライバー?」
ワイ「すんません…お嬢。タクシー捕まえましょか?」
お嬢「いいわ、今日はこの不格好な揺れを楽しんでおいてあげる」ハァ
ワイ「それはどうもやで」
ワイ「ちょっとお嬢連れて行きたい場所があるんですわ。寄り道して構いませんか?」
お嬢「へえ、あなたがサプライズなんて、そんな器用な真似ができたのね」
ワイ「ハハハ、そんな大したもんやありませんよ」
お嬢「……」ソワソワ ワイ「組長には内緒で頼んますよ。その…お嬢を連れて行ったいうたら、ワイが袋にされますわ」
お嬢「え…?」
お嬢「ちょ、ちょっと…わ、私をどこに連れ込むつもりなの?」
ワイ「おっ、ここですわ」
お嬢「…エンジェルパブ?」
ワイ「オヤジからアニキが任されてるおっぱぶですわ」グッ
お嬢「……」 お嬢「あの…なんでここに?何考えてるの?」
ワイ「い、いや、人迎えに来ただけですねんお嬢!」
女「あー、ワイさん! デートに迎えに来てくれたんだぁ!」
お嬢「……なにこれ、なんのつもり?」
ワイ「彼女、アニキが面倒見てるキャストですねん」
ワイ「店の中やと歳も若くて、性格も裏表ない明るい子で、服のセンスもええから話も合うと思いましてな」
ワイ「今日同席してもらおうかと思いまして!」
お嬢「……」 ワイ「ほな三人でショッピングでもいきましょうや」
お嬢「…あなた、ワイさんとはどういう関係?」
ワイ「アニキの店でっから。ワイも様子見に来るんですよ」
女「ワイちゃんこんなこと言ってるけど、お客さんとしてもよく来てくれるのよ」ケラケラ
女「お酒入るとすっごくエッチなんだから」
ワイ「…お嬢の前でそういう話は堪忍やで」
女「ワイちゃん恥ずかしがってるぅ!」ケラケラ
お嬢「……」 ―後日―
ワイ「お嬢、愛想ええ面白い子でしたやろ?」
お嬢「そうね」
ワイ「また三人で…!」
お嬢「気に入ったから組傘下の東京のキャバクラに推薦しておいたわ。彼女、喜んで移籍したいって」
ワイ「え……」
お嬢「しばらくもう会えないのは残念だったわね、ワイ」
ワイ「え、ええ知らせですわな。家族のためにもっと稼がなアカンって零しとったし…」
ワイ「ちょっと寂しいですけど…」
お嬢「フフフ、そうね」ニコニコ ―エンジェルパブ―
アニキ「ワイ、また遊びに来たんか!」ケラケラ
ワイ「アニキの顔が見たかったんですわ。最近どうですか?」
アニキ「お前がなんや引き合わせた子を、お嬢がえらく気に入ったらしいな」
アニキ「これで組長からの覚えもよくなったんちゃうかって!お手柄やで!」バンバン
ワイ「大袈裟でっせ、アニキ…」
舎弟頭「おい、オーナーおるかァ!」バンッ
アニキ「ひっ! き、来ていらしたんですか、舎弟頭さん…」
ワイ(アニキのアニキに当たる、ワイら舎弟のトップの舎弟頭さん…)
ワイ(サディストでむしゃくしゃしたらワイらを虐めに来るんや…今日は荒れるで…)ゾウッ 舎弟頭「おいおいなんやんこの売上ェ!ガキの小遣いちゃうんやぞ!」ゴスッ
アニキ「おぐっ!」
アニキ「す、すんません、すんません…!」
舎弟頭「いつなったらこの数字伸ばせるねんなぁ!」
舎弟頭「こんなしょぼい店、ぼったくるなりせな変わらん言うてるやろ、なぁ?」
舎弟頭「なんでアニキの俺の言うことが聞けんのやおどれ!」ドゴッ
ワイ「ア、アニキ…!」
ワイ「お、お願いです…許したってください、舎弟頭さん!」 舎弟頭「雑魚が俺に口出しするなやボケェ!」
ワイ「で、でも、このままやと、アニキが…!」
舎弟頭「あァ!?」
アニキ「ワイ…出てってくれや」
アニキ「弟分にこんなみっともない姿見せられへんのや…頼む」ボロボロ
ワイ「ア、アニキ…」 舎弟頭は組長の舎弟であって組長の子分に当たる組員とは親戚関係になるので直属でもなければ兄貴分でもない アニキ「キャストの子に悪どいことさせられまへん…」
アニキ「それに今のご時世、そんなんやったらすぐ摘発されて…そうなったらここは終わりですわ」
舎弟頭「お前いつから俺の言うこと逆らえるくらい偉くなったんや?」
舎弟頭「なめとるんか、オラァ!」ゴスッ
アニキ「ゴホッ!」
ワイ「あ、あ…」
舎弟頭「どうやら痛みが足りへんみたいやな! 俺がお前の根性見たるわ!」スッ
アニキ「ひぃっ!それは…」
ワイ「ド、ドス…?」 >>17
それだったらこいつらが組長って呼ぶのは舎弟頭のことになる 舎弟頭「オラ、死ぬか、俺の言うこと聞くか選べや!」
舎弟頭「次舐めたことほざいたら本気で刺すぞ!」
ワイ「ア、アニキさん…」
アニキ「…従業員達の生活も懸かってるんすわ」
アニキ「アンタの憂さ晴らしに付き合ってる暇ありませんわ!帰ってください!」
ワイ「ア、アカンてアニキ!」
舎弟頭「覚悟できてんねんなァドアホ!殺したるぞ!」ブンッ
ワイ「アニキ…!」バッ
ドンッ ワイ「はぁ、はぁ、はぁ…」
舎弟頭「つつつ…お前、この俺突き飛ばして覚悟はできてんか三下ァ!」
舎弟頭「…ああ、なんや、これ…? 俺の腹に、ドスが…」フラッ
ワイ(や、やってもうた…咄嗟に突き飛ばしただけやのに…)ハァハァ
アニキ「あ、アカン! 救急車呼ばな!」 おもうんだけど役職うえでも調子に乗りすぎるといろんな方法でやられるよな
だってふつうじゃないからやくざなってんだし 組長「つまらん騒ぎ起こしてくれたのう、ワイ」
ワイ「はい…」
組長「舎弟頭と一緒にアニキの奴も病院や」
組長「正当防衛やった言うんはわかった。幸い傷も浅い。面子もある、舎弟頭も大事にはせえへんやろ」
組長「でも落とし前はつけなアカンよなあ、ワイ?」
組長「俺の言うことわかるよな?」
ワイ「はい…」
組長「指二本と破門や」
ワイ「オヤジ…しょうもないワイを拾ってもらったのに…最後まで迷惑、掛けました…」バッ
組長「お前はもうワイの子やない。指落としたら出てってもらうで」 >>23
お店の女の子に冗談で拐うぞwって言った後にやんないと思ってんだろ?それが出来るのがヤクザなんだよ~って頭が言ってたな アニキ「あ、お嬢…事務所にきてらしたんですね」
お嬢「ねえ、ワイは?」
お嬢「また奥でよくわからないネットのシノギとやらにでも手出してるのかしら」
アニキ「い、いえ、その…」
お嬢「私が来てるって伝えてちょうだい」
アニキ「お嬢…すんません。俺のせいなんです」
お嬢「あら?」
アニキ「弟分は…舎弟頭との諍いで、破門なりました…」
お嬢「は?」ギロッ なんでこんなところに書いてんの??
なろうで書いたら? ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています