「どうせ考えるなら、他人のことを考えている人の方が幸福度が高い」とする驚きの研究報告があります。

人の幸せを願うと自分も幸せになれる、というのです。

アイオワ州立大学のジェンタイルらは、次のような実験を行いました(*4)。

496人の大学生に、12分間にわたり大学構内を歩いてもらいます。そのさい心の中で「あること」を考えてくださいと伝えました。

その「あること」によって、大学生を4つのグループに分けました。

グループA)「その人が幸せになってほしい」と、優しい気持ちを抱く
グループB)その人と自分にはどんな共通点がありそうか、考えてみる
グループC)その人より自分の方が優れていそうな点はどこか、考える
グループD)その人の服装や持ち物について考察してみる
大学構内を歩いてもらう前後で、不安、幸福度、ストレス、共感性、他者のつながりなどのスコアを比較したのです。

すると、散歩後に幸福度のスコアが高くなったのは、「他人の幸福を願う」グループAでした。Aのメンバーは、不安は減少し、共感性や他者とのつながりにおいても高いスコアが出ました。

幸福度を高めるためには、遠回りのように見えても、まず他人のことを考え、他人のために動くことが効果的。自分のことで思い悩む暇があったら、「誰かのため」に行動した方が幸福になれるのです。
https://president.jp/articles/-/63693?page=3