発売1ヵ月で12万部を突破した林真理子さんの話題の新書『成熟スイッチ』。

 同書には「成熟」へと向かうためのヒント=「小さなスイッチ」が、林さんの豊富なエピソードとともに書かれています。

【写真】林真理子は、なぜ「老害・暴走老人になりたくない」と心から思ったか?

 この「成熟スイッチ相談室」では、林さんに成熟世代のさまざまな「お悩み」にアドバイスしてもらいます。

 『成熟スイッチ』には「家族が教えてくれる成熟」についても書かれていますが、今回は実家暮らしを満喫し続ける37歳の娘を持つ女性のお悩みに林さんが答えます。

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●お悩み:ずっと実家にいて、結婚もせず働きもしない娘

保険のセールスレディとして40年間ずっと働いてきました。途中で離婚しましたが、営業成績も良かったので一度も生活に困ることなく、大学を出すまで娘を育てあげました。

ところが、その娘が実家暮らしのまま37歳になってもいっこうに結婚もせず、まともに働こうともしません。たまに単発のアルバイトをするぐらいで、いい年をしてジャニーズの追っかけをしています。娘の将来を思うと心配になります。どうすればよいでしょうか。(63歳・女性)
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 ●林さんの回答

 貴方のような人はいっぱいいますよ。とくに、うるさく言うお父さんがいなくて、お母さんと娘の二人暮らしの家って居心地がいいから、なかなか娘が出ていこうとしない。でも、「8050問題」予備軍ともいえますから、40歳になる前になんとか結婚させたいところ。

 気をつけたいのは、あと10年もすると、貴方自身の気持ちが変わってくることです。

 私は貴方のような人を何人も見てきたからわかるのですが、まだ娘が30代後半ぐらいのうちは、「お見合いさせなきゃ」と焦りまくってジタバタしている。しかし、そのうち自分が70歳を過ぎたころになると、娘が病院に連れて行ってくれたりする「便利な存在」になっていくのです。

 すると、「結婚させなきゃ」などとピタッと言わなくなる。それで「私は幸せ者だわ」と思い始めるようになります。

 まわりを見回すと、年寄りはみんな一人ぼっちで這うように生活しているのに、自分には、病院に行く時にも、ブーブー言いながらも車を出してくれる娘がいる。「なんて私はラッキーなんだろう」と、独身の娘が家にいてくれることの幸運を噛みしめるようになっていきます。そうなったらもう引き返せません。

 娘さんの幸せを考えるなら、やはり今、なんとかして結婚させるようにしましょう。

 とはいえ、頭ごなしに「婚活しなさい」と言っても反発されるだけ。貴方もシングルなのですから、マッチングアプリを「一緒にやろうよ」と二人で始めてみるのはどうでしょう。

 貴方にはなかなか話は来ないかもしれませんが、自ら「呼び水」となって、娘さんを婚活市場に送り込むのです。

 最近は40代でもまだまだ美しい人はいっぱいいますが、やはり30代のうちのほうが成婚率が高いのは事実。娘さんの人生を第一に考えれば、今が頑張り時です。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ff66b9c1e211ddd3aac3c9f8768314ca7e3d337b